普段、デザイナーとしてWEBサイトを中心にデザインしていますが、サービスロゴやサイトIDなどを制作することがあります。そのような商業ベースのデザインでは、常に形や色やタイポグラフィーでイメージを正しく視覚伝達することが求められます。そこで、今日はちょっと変わった世界で発見したデザイン理論に着目しました。

僕は、幼い頃にメタルに目覚めて以来、デスメタルという音楽の虜になり、今では自分のデスメタルバンドを結成して活動もしています。そもそもデスメタルとは何か?というと、「ヘヴィメタル」でも知られる「メタル」という大きなくくりの中の一部のサブジャンルを指しています。デスメタルの特徴として、ガラガラ声で叫ぶボーカルと、物凄いスピードでかつ正確に演奏する楽器隊があげられます。 

デスメタルというジャンルは、またさらに複数のサブジャンルに細分化されていて、それぞれのサブジャンルにプライドをもった熱狂的なファン層が存在しています。 

そんなデスメタルの世界では、他の音楽ジャンルにはない特殊な習慣があります。
それは、「ジャケ買い」ならぬ「ロゴ買い」です。 

デスメタルバンドは、実はロゴのデザインを見ただけで、そのバンドがデスメタルのどのサブジャンルに属しているのかがわかるという文化が成立しているのです。そのため、我々デスメタルファンはCD屋に行くと、CDを視聴する前から音楽性を正確に予想することができるのです。 

具体的にどういうことかお見せします。 

ブルータルデスメタル

音楽的特徴は、「ガテラル」といわれる下水道のような声で歌詞の聞き取りはほぼ不可能です。
血をモチーフにしたドロドロとした要素やトゲトゲとした装飾が多く、文字視認性が非常に低いロゴが多いです。 ロゴの読めなさ具合は歌詞の聞き取れなさ具合に比例しています。

デスラッシュ

ギターの刻みとスピード感に重点が置かれたスラッシュメタルとデスメタルが融合したサブジャンルです。直線が多く、エッジの効いたサウンドを表すような鋭利なデザインです。

デスコア

デスメタルにハードコアの要素を交えた音楽性で、曲の途中でテンポを落とす「ブレイクダウン」というパートが最大の特徴です。乱雑な文字で構成されるロゴで、ハードコアの影響もあってか、伝統的なメタルに多いシンメトリーに囚われないものが多いです。

テクニカルデスメタル

複雑なリズム、フレーズ、曲構成に重点が置かれているタイプのデスメタルです。ドロドロとした装飾はなく、適度に曲線を含んだシャープな印象のロゴで、伝統的なメタルを引き継いだシンメトリックなロゴが多いです。 

 

この他にも、メロディックデスメタル、ブラックメタル、ジェントなどなど、ロゴを見ただけで音楽性の予想ができるメタルのサブジャンルはきりがないほどたくさんありますが、ここでは割愛させていただきます。 

初心者が聞いたらあまり差がわからないような音楽性の違いでも、ファンからするとそこには明らかな違いがあり、ロゴと音楽性が一致していなければ非常にガッカリしてしまいます。
例えて言うと、煎餅っぽいロゴのパッケージだったから煎餅だと思い込んで口に入れたらチョコだったときのような感じです。

一見、デザインされていないかのようにも思えるデスメタルバンドのロゴですが、実は、このようにものすごく細かい部分まで考慮されて視覚伝達がされているのです。
広く一般的な層に向けられる企業のロゴデザインに対して、ニッチでコアなターゲット層に対して音楽性やメッセージ性を伝えていくというサインデザインがそこにはあるのDEATH。

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