定量調査・定性調査両方の課題をカバーする方法はないか?

現在さまざまなリサーチ手法が実践されていますが、大別した際に「定量調査」と「定性調査」という2つに分けられます。
目的に合わせてさまざまな調査をIMJでも行っていますが、調査の一般論として、

  • 定量調査(主にアンケート調査)の課題:あらかじめ調査段階で(調査担当者が)準備したこと以外は聞けない

     ユーザーが思い出しにくいものは回答が曖昧になりがち

  • 定性調査(主にインタビュー)の課題:大人数に対して実施することが難しい。

     人数を増やすと、期間も長くなりがち

といった課題があります。

この課題に対して、私たちは「定量調査」と「定性調査」両方のオイシイとこ取りを目指し、インターネットアンケートを使って“どのタイミングでどのようなことを行い、その時どう思ったか、どういったテンションだったかを自由に書いてもらう”という調査を企画しました。

この調査手法の第一弾として、国内旅行(北海道・大阪・京都・沖縄)へ3ヵ月以内に行った人50人に対して、その時の「旅行に行くきっかけ~旅行が終わるまで」を“ありのまま”に記述してもらいました。

旅行の計画中にテンションダウン!?

まずは1人目の体験(沖縄旅行)を見てみましょう。

沖縄に一人旅をした方の旅行体験

この方はまず飛行機の予約をした際にテンションが上がっていますが、準備段階で一度テンションが下がっていることがわかります。

その体験の様子を見ると、

「行きたい場所、やりたい事 うまく組み合わせられずフラストレーションがたまりテンションダウン」

とあります。

旅行先でどんな所に行きたいか、どんなことをしたいかを考えている中で、その予定の調整で手間を感じて、テンションが下がっている様子がうかがえます。

また、旅行中にも一度テンションが下がっています。体験の様子を見ると、

「途中おいしいものを食べ過ぎおなかこわす」

とあります。

こうした体調不良だけではなく、何かしらの影響で当初立てていた予定が変わってしまいテンションが下がってしまった経験、実は皆さんもあるのではないでしょうか?

旅行後に思い出を振り返ると高テンションを維持

次に京都旅行に行った方の体験を見てみましょう。

京都に3人で旅行した方の体験

この方も、準備段階でなかなか予定が決まらない際にテンションが下がっている様子がうかがえます。

旅行中は比較的楽しんでいる様子がうかがえますが、

「予想以上に時間がかかり、行きたい場所の半分も行けず」

だったことに対してテンションが下がっていることがわかります。

また、旅行後に写真をSNSにアップして旅行を振り返ると、テンションが高いまま維持できていることがわかります。

気軽に写真をアップして共有し、旅行を振り返ることができるような「事後の体験」をデザインすることで、体験全体の質を高めることも出来るかもしれません。

今後も継続して収集方法を研究

今回、一連の旅行体験を振り返ってもらった内容により得られた主な気付きをまとめてみました。

「“ありのまま”の旅行体験」から得られた気付き

調査側としては短時間で多くのユーザーの行動の背景やその文脈、感情も把握することができるので、調査担当者の前提条件や思い込み、先入観によるバイアスを排除して、定量的なデータ収集が可能になり、非常に有用なインプットになる可能性を秘めています。

まだまだ研究中のこの調査手法、今後も調査・分析手法について、より精緻な情報を得るための改善や体系化を進めていく予定です。

 

さいごにひとつだけ、この調査・分析の難点があります。
旅行体験を分析している時は必ず、私自身が旅行に行きたくなることです(笑)
沖縄・・・海・・・真栄田岬が私を呼んでいる・・・。

 

今回取り上げた2名以外の旅行体験は、こちらに掲載しています。
https://www.imjp.co.jp/lab/report/2015/0414/

この調査手法の研究に一緒に取り組んでくれる企業の方はこちらまで!
https://www.imjp.co.jp/contact/