1月後半は寒波の影響で吹雪になったニューヨーク。街中でスノーボードをする人の画像がフェイスブックをにぎわせていましたが、ショー開催期間中は気温も平年よりずいぶん暖かく、日本と同様に暖冬がニュースの話題になっていました。

そんな中、開催されたイベントですが、知らない方も多いと思いますので、まずは概要から。

NY Retail Big Showって?

 

全米の小売り業界が(NRF)が主催する年に一度のイベントで、既に歴史は100年以上(!)3万人以上の来場者が訪れる全米最大の小売り事業者向けのイベントです(全米最大ということは、ほぼ世界最大……と置き換えても過言ではありません)。

 

出展ブースは500を超えており、会場は大賑わいです。シャトルバスに乗り合わせた、参加20年の女性の話を漏れ聞くに、リーマンショック時などはイベント自体がかなり衰退ムードだったそうですが、景気回復と新しい勢力(主にデジタル企業)の出展増に伴い、かなり活気を取り戻した、とのこと。納得の賑わいでした。

 

アメリカ小売業界の先進的な取り組みが一同に

複数のセッション参加、およびブース視察を行いましたが、アメリカの小売り事業者は進んでおり、既にさまざまな取組みが実店舗に導入されています。

目を引いたブースのうち、いくつかをご紹介します。

 

インテル社ブース
イタリアのスーパーで実際に導入されているマジックミラー。商品を手に取ると、全面鏡の部分に材料、原産地、カロリー等の情報が表示されます。

 

 

3VR社のブース
監視カメラから店内の行動解析及び顧客のデモグラの取得など。

 

 

ALTEC社のブース

ホログラム的なディスプレイが、かなり目を引きます。

 

 

 

Cognitivescale社のブース

EC上の行動解析により機械学習をしてユーザの趣味嗜好を絞ってコンバージョンを高めるソリューション

 

 

 

ディレイミラーなるもの。その名の通り、ちょっと遅れて表示されます。そのため後ろ姿をチェックできる!… …とか。

 

 

 

Countwise社のブース

ユーザの視線計測など。

 

 


 

とにかくブースの数が多すぎて、じっくり見てるととても回りきれないボリュームです。さすが全米最大!のサイズ感。期待を裏切りません。

特に今回は店内活用できるデジタルソリューションを視察することが目的だったので写真に偏りがありますが、POSやPOP関連のソリューションをはじめ、個人的には普段目にしない目新しいものも多く、関心しきりというのが正直な感想です。

 

さてさて、感想はさておき。NY Retail Big Show2016のトレンドについて、以下にまとめてみました。皆様ぜひご参考にされてください。

 

NY Retail Big Show2016のトレンドまとめ

トレンド① 店舗でデジタルソリューションを活用

小売り事業者からするとEC(特にamazon)の脅威は相当なもので、“店頭でデジタルソリューションを取り入れることが必須”という啓蒙が、そこかしこでされていました。

デジタルの取入れといってもサイネージからRFID、試着室の鏡を活用したディスプレイやキネクト、IoTデバイス、タブレットの接客利用……などデジタル=インターネットではなく、店内のサービスとして活用してビジネスを加速させるツールとして取り入れることを積極的にリーダー企業が啓蒙、推奨していました。

トレンド② データ!データ!データ!

デジタルな世界ではもはや必須となっているビッグデータの活用

実店舗の世界でもデータ活用するというソリューションが盛りだくさんです。特にデジタルネイティブな世代の消費活動、ソーシャルの台頭などの時代の変革が起きているのに、小売り業界はレガシーなままでは乗り遅れてしまうので、今こそデータ活用し顧客理解を深め、顧客の変化に実店舗が合わせて変革する時であるという話が主流でした。

トレンド③ 分析はパーソナライズ化された予測分析、インターフェースはAI活用へ

トレンド②に連携する話かもしれませんが、分析の話は顧客理解のみに活用するのではなく、予測分析領域が活発です。

 

特に国土の広いアメリカ。店舗在庫の最適化はそのままビジネスに直結する大きな課題です。

サイズ・色・デザイン・天候・過去の購買履歴など複数のデータソースから予測分析をして在庫最適化、収益拡大を実現。そして接客はAIを活用することで人間の接客と近しいインタラクションを生み、購買の最後に背中を押す行為をサポートする。

かなり先進的な事例として紹介されていたため数は少なかったものの、そういった内容のセッションは満員御礼でみなさんの興味のほどがうかがえました。