備えは十分? モバイルファーストインデックスに向けて取り組みたいこと

2016年11月にGoogleが正式発表した“モバイルファーストインデックス”とは、その導入後に、Google検索エンジンが、モバイル(スマートフォン)向けページへの評価をPC向けページへの評価よりも優先して検索結果のランキングに用いるというものです。
導入時期については、2018年内になるという見解が有力なものの、詳細な時期は明確にされていません。しかし、導入時期が決まってから慌てて対応する、ということのないよう早めに備えていきたいですね。
これまでに発表されている情報や、2017年6月に実施されたSEO・SMX特化イベント「SMX Advanced 2017」で得られた情報も踏まえて、見解をまとめます。

評価対象がモバイルに? モバイルファーストインデックス(MFI)とは?

これまでGoogleのモバイル向け検索エンジンアルゴリズムはPC向けサイトをもとにした評価を基準として、たとえモバイルからの検索であっても、この基準をもとに検索結果を表示してきました(ただし、スマートフォンでの検索結果は、スマートフォンでの閲覧に適したページであるかどうかを判断して、検索結果における表示順位が調整される別のアルゴリズムである「“モバイルフレンドリーアルゴリズム”」の要素もを加味していたため、PCの検索結果と全くの同一ではありませんでした)。


“モバイルファーストインデックス”は名前の通り、モバイル(スマートフォン)サイトを評価の基準とするアルゴリズムです。このアルゴリズムでは、たとえPCからの検索であってもモバイルサイトの評価をもとに検索結果が表示されることになります。
2016年11月にGoogleより、近い将来に導入するための準備を進めていることが発表されましたが、2017年7月現在、いまだ明確な導入時期は発表されていません。
SMX Advanced 2017では、Googleのサーチ・トレンド・アナリストであるゲイリー・イリーズ(Gary Illyes)氏が2018年(の早いうち?)には導入できるのではないか、と話していました。
*SMX Advanced 2017については、記事「SEO担当者必読! 世界のSEOスペシャリストが集まる SMX Advanced 2017 レポート」をご参照ください。

“モバイルファーストインデックス”の導入は2018年? SMX Advanced 2017の発表にて

エンジニア達は2017年中に導入することを目標としていたようですが、実際には現在の状況(PCページを評価)と検索結果の品質を同じ状態に保つためにはまだ調整事項が多いことが導入時期を遅らせている要因のようです。

モバイルファーストインデックスによる検索結果への完全な適用には4~5年?

ゲイリー氏は、モバイルファースインデックスの導入時期が遅れることと共に、検索結果として完全に適用されるまでには4~5年ほどかかるのではないか、と個人的な見解を述べていました。
検索エンジン側で膨大な量のPCサイトの評価をモバイルサイトに移行していく処理に時間がかかる、というイメージです。

なぜ“モバイルファーストインデックス”の導入・完全適用に難航?

Googleは以前から、“モバイルファーストインデックス”の導入後の検索結果の品質が、PCサイトを中心とした現在のアルゴリズムと同程度の品質を保つための調整を続けていると話していました。
その調整を難しくしている理由は、ゲイリー氏の話から下記のように推測できます。

  • 外部リンクに対する評価。モバイルサイトのうける被リンクは、PCサイトのそれと比べて少ないサイトがほとんどであり、どのように評価をしていくべきか。
  • PCサイトとモバイルサイトの間に存在するコンテンツの差。コンテンツ量だけでなく、構造化データを含む、重要な要素の欠如。
  • アノテーションの不備。PCサイトとモバイルサイトでURLが異なる場合、関連づけされていないことで混乱が生まれる。
  • そもそもモバイル対応していないPCサイトの存在。今後もインデックスはするが、評価のロジックが変わってしまう。

上記の理由からも、レスポンシブWebデザインでの対応がGoogleのインデックス的には負荷が少なく、まだ、Webマスターにとっても“モバイルファーストインデックス”が導入された際のリスクが少ないように思います。

“モバイルファーストインデックス”に向けて取り組んでおきたいこと

それでは、“モバイルファーストインデックス”に関するさまざまな情報を整理していく中で見えてきた、導入される前に取り組んでおきたいポイントをまとめてみましょう。
※あくまで筆者の個人的な見解であり、これが全てではありません。

レスポンシブWebデザインへの対応

レスポンシブWebデザインとは、PC・スマートフォンなどの異なるデバイスに対しURLならびにHTMLソースが同じまま、CSSやJavaScriptを用いて外観や操作方法を最適化したサイト構造を持っています。
どうしてレスポンシブWebデザインを採用したほうが良いのか、そのポイントは三つ。

  • PCとスマートフォンでコンテンツ(ページ)量に差が出ない。重要コンテンツの抜け落ちや両サイトの関連性の構築漏れが発生しない。
  • ソースコードの記述が基本変らない。構造化マークアップを含め、PCで重要な記述はスマートフォンでも重要となる。
  • 別URLの場合はPC・モバイルサイト間での被リンク数に差が生じる可能性が考えられるが、同じURLであれば、外部リンクもある程度現状と同じ評価を維持できると考えられる。

モバイルフレンドリー項目への対応 + UI/UX最適化の追求

前述の“モバイルフレンドリーアルゴリズム”への対応は、“モバイルファーストインデックス”でも引き続き必須となっていきます。また、他サイトと差をつけていく為には、各業種・各サイトの性質に合わせてユーザー体験をより突き詰めていくことがポイントとなっていきます。

ページ表示速度の最適化

Googleのゲイリー氏が2017年3月のSMX West 2017で、“モバイルファーストインデックス”のランキング要素にページ表示速度を組み込む計画を言及したこともあり、ページ表示速度はこれまで以上に注目が集まっています。
ページ表示速度を高めるためにはサイト本来の表示速度を上げていくほか、Googleも開発に携わっているプロジェクト・技術であるAMP(Accelerated Mobile Page)*や、PWA(Progress Web Apps)*に取り組むという方法もあります。なお、ゲイリー氏はAMPやPWAが普及してきている現状を受け入れつつも、この二つを採用することが望ましい場合とそうでない場合を理解した上で、サイト自体の高速化という選択肢も含めて慎重に検討して欲しい旨をSMX Advanced 2017で話していました。
なお個人的には、PWAは、表示速度の改善だけでなくUX向上にもつなげられる可能性がある点で注目しています。

*AMPとは、GoogleとTwitterが共同で策定したモバイルページの高速化プロジェクト、およびその実現に必要な技術。
*PWAとは、スマホユーザーのUX向上を目的とした、WEBページとネイティブアプリのいいとこ取りができる仕組み。スマホでページ表示の際にネイティブアプリのような挙動をさせることができる。Android Chromeでサイトにアクセスした際に適用される

まとめ

最後に、モバイルファーストインデックスの今後の予定と、事前に取り組んでおきたいことをまとめまておきます。

  • 導入時期は今のところ2018年内。
  • 導入後も完全な適用までには4~5年にはかかりそう。
  • それまでに取り組んでおきたいこと①:レスポンシブWebデザイン
  • それまでに取り組んでおきたいこと②:モバイルフレンドリー項目への対応 + UI/UX最適化の追求
  • それまでに取り組んでおきたいこと③:ページ表示速度の最適化

Googleは導入前に十分な準備期間を設けられるようにアナウンスすると伝えているものの、いざ決まってから慌てて対応するよりも、手を付けられるところから着実に備えていきたいものですね。