デジタルマーケティングの中でも、検索エンジンからWebサイトへの集客手法であるSEOやSEM。それら検索エンジンマーケティングに特化したイベント「SMX Advanced 2017」が、6月12日~14日に米国ワシントン州のシアトルで開催されました。
Googleの現役アナリストが検索エンジンの最新動向を語ってくれたり、グローバルで活躍するSEOのスペシャリストたちが共有してくれる豊かな知見は、今後の検索エンジンへの関わり方を考えるきっかけを与えてくれるとあって、毎年、SMX Advanced はSEO関係者の間で話題のイベントとなっています。

今回、SEO担当としてイベントに参加してきましたので、その中でも注目度の高かった話題についてご紹介します。
※なお、私はSEOのセッションにのみに参加していたので、SEMについては触れません。

SMX Advancedとは?

SMX(Search Marketing Expo & Conference)は、デジタルマーケティング関連メディアを複数運営するThe Door Media社が主催し、Google社やBing社、米国のSEO・SEM関連ツール・サービス業者をスポンサーとして行われる、数少ない検索エンジンマーケティング関連のイベントです。SMXのイベントは年間を通して数回開催されていて、米国だけでなくヨーロッパでも開かれています。
その中でもSMX Advancedは、SEOやSEMの上級者をターゲットとしたイベントであり、その内容は濃く、SEO・SEMの業者だけでなく、Googleのアナリストがキーノートに登壇し、そこでの発言はGoogleの検索エンジンアルゴリズムに関する重要な情報として、世界中のSEO関係者から注目を集めています。

SEO観点で今回の注目テーマは、”モバイルファーストインデックス”(MFI)

今回のSMX Advancedでは、SEO関連のセッションは13日・14日合わせて10件(パネルディスカッションは除く)。そのうち半数のセッションがモバイルファーストインデックス(MFI)や、MFIのランキング要素として計画に入れられているWEBページの表示スピードに関連した内容でした。

中でも、Googleのサーチ・トレンド・アナリストであるゲイリー・イリーズ(Gary Illyes)
氏がスピーカーの一人として登壇したキーノート“Mobile-First For The Advanced SEO”は、多くの立見が出る、最も注目度の高いセッション。モバイルファーストインデックスの具体的な導入時期が発表されるのではないか、と期待が高まっていました。

モバイルファーストインデックス(MFI)とは?

これまでGoogleの検索エンジンアルゴリズムはPCサイトをもとに評価・検索結果への表示を行ってきました。「モバイルファーストインデックス」は名前の通りモバイル(スマートフォン)サイトを評価の基準とするアルゴリズムであり、2016年11月にGoogleより、近い将来に導入するための準備を進めていることが発表されていました。

「モバイルファーストインデックスの導入は恐らく数四半期先、おそらくは2018年(の早いうち?)には」

モバイルファーストインデックスの導入時期は、以前から2017年中は難しいのでは、という情報はあったものの、やはりかという雰囲気が会場内を占めました。
なぜモバイルファーストインデックスの導入時期が遅れているのか、また、導入される前に取り組んでおきたいことなどは次のレポートで書きます。

MFI以外にも興味深い話題

どうしてもモバイルファーストインデックスが気になってしまう現状ではありますが、他にも興味深い話がされていたので簡単にご紹介します。

強調スニペットの統計データ

Googleで検索した際、その検索キーワードが質問として判断された場合に表示されることがある「強調スニペット」。

強調スニペットとは、質問のようなキーワードをGoogleで検索した際に、通常の検索結果とは別に現れるものです。
その表示位置は検索窓とその結果(もしくはAdwords広告と検索結果)の間で、四角く囲まれて表示されるため、通常の検索結果よりも存在感が大きくさえ思えます。
この強調スニペットは、質問に対する回答を持っているサイトからテキストや画像、時には表データなどを引用して表示しています。
(下図の赤枠部分が「強調スニペット」)

その強調スニペットに関する統計データの提供は行われないかとGoogleのゲイリー氏への質問がありました。その回答は“No”だそうです。
Googleは強調スニペットに引用されたサイトに対して、そこで得られた統計データを提供することは現状考えていない、とのことです。
この統計データを提供したところで、ウェブマスターたちがサイト改善にどうつなげられるのか、などが不明確である以上、データを出すことはないということらしいです。
強調スニペットへ表示するための意図的な方法もない中、そこに注力するのではなく、コンテンツの質を高めてほしいという考えなのでしょうか。

音声検索の統計データ

音声検索の存在感が年々増している背景もあってか、GoogleではSearch Console(かつてのGoogleウェブマスターツール)上で音声検索による統計データの提供を検討しているとのことです。実際のところ、お仕事させていただいているサイトなどでどれだけの音声検索が、どういったキーワードで使われているか非常に興味深いですね。
また別のセッションでは、Amazon Alexaの成長を紹介するセッションや、パーソナル・アシスタントであるSiriやCortanaを活用しているユーザーとのエンゲージメントを高めた実績の紹介など、SEOのテクニックとは違った興味深いセッションが用意されていたことが印象的でした。
(ただ、今回のセッションでは詳細を取り上げるほど特筆すべき内容はありませんでした)。

セッション以外にも濃厚な1日ワークショップ

SMX Advancedでは、カンファレンスの前日に少人数制のワークショップが開かれます。
今回参加したワークショップのテーマは“Search-Engine Friendly Mobile Design & Development”(検索エンジンに評価されるモバイルサイトデザインと構築)。
モバイル・フレンドリーなサイトを構築していくために参考にしたい構造モデルや、1995年からSEOに携わってきた経験豊富な講師が考えるモバイル・フレンドリーなデザインについて、少人数で学べる非常に有意義なワークショップでした。私以外は全員アメリカ・カナダから集まっている参加者同士でのディスカッションは、SEOの情報はもちろん、英語で行われるという意味で、私にとってはかなり刺激的なイベントでした……。
ちなみに、Skype英会話を参加1ヶ月前にはじめたくらいでは全く歯が立ちませんでした(笑。それでもなんとか拾ってくれる大らかな人たちだったので助かりました)。

まとめ

SEOの専門家・上級者たちが集まり知見を交換するSMX Advanced。
当然ではありますが、最大の関心事はGoogleの“モバイルファーストインデックス”関連。ほぼどのセッションでも“Mobile-First Indexing”という単語が発せられており、そこに対する各専門家の考えや、ランキング要素の一つ「ページの表示速度」に対する取り組みの発表など、刺激をいただきました。

他の大きなグローバルカンファレンスと違って、日本語への同時通訳サービスなどは一切ありませんが、ある程度ヒアリングができる方であれば大まかな内容は理解できます。SEOの用語は世界共通なので(笑)。ご興味のある方はぜひ、一度参加されてみてはいかがでしょうか?

▼既に2018年のSMX関連の告知が出ているのでご参考までに
http://marketinglandevents.com/smx/advanced

おまけ:会場屋上で行われた" SMX Meet & Greet "の様子

SMXでは、各日のメニュー終了後にミートアップ系イベントが催されます。
その内のカンファレンス前夜祭的なイベントは会場が屋外。
世界中から集まったSEO・SEMの専門家たちが集まり熱いイベント……!と言いたいところですが、外気温14℃&強い海風で、中には明らかに冬物のジャケットを着る人もいるほどの寒空……。
シアトルの6月はまだ寒い! 寒さに震える私を気遣って暖かい飲み物を用意してくださった親切な方(お名前を伺っていない)に感謝でした。