VRやAI、音声技術に引き続き注目

インタラクティブ部門では、VRやAI、音声技術といった最近開発された技術は、SXSWでも注目を集めていました。IMJが視察した中から気になったブースやセッションを、テーマごとにピックアップしてご紹介します。

■VR系:『Tilt Brush』

もはやおなじみの、GoogleによるVRデバイス。バーチャル空間内で立体物を描けるVRお絵かき。自己表現の舞台もバーチャル空間へ移っていくのか。

■VR系:『Notes on Blindness』

盲目の方の体験をもとに構成された世界を体験。世界の構成のされ方を追体験する、というまさにVRで新しい世界観が開けるコンテンツでした!

 

セッションでは、アイコンタクトが取れるVRデバイスの紹介も。
VR、MR系の目を覆うデバイスは、周囲とアイコンタクトを取ることができず、リアルのコミュニケーションが断絶されてしまう問題を解決しようとしたものです。

■AI系:『Pepper』

人と円滑に会話をさせるために、コミュニケーションの工夫を盛り込んだロボットとして『Pepper』が紹介。

エンドユーザー向けロボットの場合は、ロボット側からコミュニケーションを取りやすくするような工夫が必要。
「『Pepper』は何もできない」と開発者から言われることはあるけど、ロボットは結局入れ物。『Pepper』は「コミュニケーションを取りたくさせる、皆で可愛がりたくなる」という工夫が盛り込まれた良例として紹介されていました。

■デバイス系:『Sensel Morph』

イノベーションアワードショーケースで見つけた謎のインターフェース。磁石付きラバーマットをかぶせると、一枚のタッチパッドがさまざまな物理的キーパッドに。どうなってんの?

■IoT系:『BliScent』

トレードショーに資生堂が出展。カメラからストレス状況を計測して、ユーザーの心に働く香りが出る。資生堂の香りの研究が詰まったIoT技術。

事例は分かった。さてどうする。

特にVR、AIは人気を集めていましたが、特別目新しいものは少なく、既視感が強いのが多いな……という印象。にもかかわらず、VRやAIに人気が集まるのは、出展者・登壇者側も、参加者側も、誰もがその活用法を模索しているところなのだろうと思われます。

重要なのはそのテクノロジーを何のために、どう使うかですよね。
その点を強調するかのように、このような事例も紹介されていました。

「アフリカの女性たちが、ほぼ一日中、食事を用意するために生きている」という生活スタイルを変えるために生み出された、低コスト調理器具です。
「問題を見つけるのがテック(デジタル)の力だとも、ソリューションが必ずしもデジタルでもたらされるとも限らない」という強いメッセージを感じます。

結局のところ、どんなテクノロジーも人間次第。そう熱く語るセッションもありました。

「超すごいAIだって、今のところ結局作ってるのは人間なんだ。ヒューマンリソースを大事にしてない会社やプロジェクトでは、良いものなんか何も生み出せないよ」

同じ世界で、トップランナーたちがどのようにもがいているか、それを目の当たりにできることに、今年のSXSWは価値があったのかもしれません。
そんな中で個人的に、考えを整理するヒントになったのがこちら。

■VR系:『SONY The WOW Factory』

日本企業の中でも特に大きなブースを出展していたSONY。
さまざまな技術・テクノロジーが体験できる空間を作っていました。

Spiderman Homecoming Climbing Experience

こちらは、クライミングとプロジェクションマッピング、センサーを組み合わせたもの。動画は僕が実際に登ってみた様子です(笑)。技術自体は以前からあったものですが、その組み合わせ方と活用法が魅力的でした。

クライミング(=現実)を強化する目的での仮想の使い方で、仮想空間のためにギア(=現実)を用意するものとは実は対極のアプローチ。

デジタルエージェンシーに在籍しながら最終的にリアルに勝るものは無いなと思っているのですが(笑)、「リアルを強化するデジタル」という関係性が、素敵な未来を予感させてくれました。