※掲載されている画像が小さく分かりづらいものがありますが、クリックで拡大できます。
※本記事は、会場で英語で発表された内容を筆者がまとめたものとなります。そのため、現段階で一部誤りがあったり、実際に機能がリリースされた段階で内容が変わっている、日本国内でいつ提供されるのか分からない点があることを、ご了承ください。

 

Adobe Summitレポート最終回は、デジタルを活用した新しいショッピングの体験デモを紹介したいと思います。

デジタルショッピングバッグ

General Sessionと体験ブースで紹介されていた新しいショッピング体験デモのうちの1つです。

上のようなブランド店舗内のショッピングバッグがあるのですが、これ自体に仕掛けがあり、BluetoothとRFID(近距離通信)ができるようになってます。
ユーザーが買い物前にブランドのアプリをダウンロードしている状態で来店して
ショッピングバッグを持つとスマホとバッグがBluetoothでリンクします。この状態で、ショッピングバッグに商品を入れると、RFIDのビーコンでスマホアプリのカートにショッピングバッグ経由で商品が入ります。

※商品にこんな感じでRFIDタグがついてます(黄色い丸の部分)。

ユーザーは、そのままスマホアプリ上のカートで決済することもできます。
(Appleストアで買い物したことがある方ならば、店頭でも自分のアプリで決済できます。それにショッピングバッグが連動してしまったとイメージしていただければわかりやすいかと思います)

このショッピングバッグは2重になっていて、内側が持ち帰り用のバッグになっているので決済が終わったらそのまま外側のバッグだけ返せば、レジを通らずに店を後にできるそうです。
(ブースで体験したデモでは、レシートもAdobe Campaignからメールで送られてきました)

※レシートメールが届いたところ。手に持っているが持ち帰り用のバッグ

また店舗にあるデジタルサイネージとも連動していて、サイネージの前に来ると、ショッピングバッグの中の商品や購買履歴などを加味して、商品のレコメンドやパーソナライズされた情報が表示されます。(ちなみにAdobe Experience ManagerとAdobe Targetでやっているとのことでした)

※右上にでているのがレコメンドされた商品。

本当に実現するには色々と考えなければならないことも多々あると思いますが、実現したら今の来店から決済までの店舗ショッピングのフローとは随分と様相が変わってきそうですね。

スマホと連動したインタラクティブなデジタルサイネージ

※スマホをタッチするとデジタルサイネージの表示がかわる。

こちらは、ダンキンドーナツ(ちなみにアメリカのダンキンドーナツはドーナツだけじゃなくハンバーガーなども売っています)を例にしたデモです、同じくスマホとデジタルサイネージを連携したデモで、アプリを起動してユーザーがスマホをデジタルサイネージにタッチすると、それに反応してデジタルサイネージで注文できたり、パーソナライズされた情報が表示されるというデモです。

また、壇上に電気自動車のテスラ(ホンモノ!)が登場してのドライブスルーのデモでは、ドライバーがスマホアプリで注文すると、その内容がテスラの車体についているディスプレイと連動するようなデモも行われていました。

※スマホを操作すると、左側の車のディスプレイも連動する。

カメラデバイスと連動したデモ

※立っている人の上に白い線で重なっていて、体型を測定している最中の状態。数秒で測定が終わる。

Summitには、Sneak Peekというコーナーが毎年あり、アドビの開発者がR&D的にこんなものを作ってしまったので紹介するというものがあります。今すぐリリースして欲しいものもあれば、すごいけど何に使うのかわからないというものまで色々紹介されますが、その中でも1つ目に紹介したリアル店舗と連動したデモがありました

AEMで構築されたデジタルサイネージとMicrosoftのKinect(センサーデバイス)を組み合わせて、人物がサイネージの前に立つと体型を測定して、店舗内の在庫の中でサイズが合うものの中から商品をレコメンドするというものです。

※体型を測定するとサイネージ上に自分に合う商品サイズと店舗内の在庫から商品がレコメンドされる。

いずれのデモもデジタル内で完結するのではなく、リアルの行動側にも侵食して1つの目的(ここではショッピング)を達成するのにバーチャル(デジタル)が何度も入り込んできて、その境目がどんどんなくなっていくことを感じるものでした。今にこういうものが普通になっていくのでしょうか。

 

 

以上で、連載で投稿させていただいたAdobe Summitのレポートも終了です。今年も非常に興味深い発表が多い、濃密な3日でした。

最後に、General sessionで挙げられていた今年のSummitのテーマ「Experience Business」という言葉ですが、英語で言われると、日本人からすると非常に漠然としている感があります。
日本に帰ってきてから、ちょくちょく考えているのですが、私個人としては、日本人にわかりやすくすれば、まずは「心地よさ」と「おもてなし」という言葉で捉えばいいのかなと思っています。
「おもてなし」という言葉が昔からあるように、日本人はそのあたりの勘所はあって、提供するのは得意だと思っています。
どうしても「デジタルの世界だと」、「デジタルの世界では」といったことを変にバイアスを掛けて考えてしまうことが多いのですが、あまり深く考えすぎず、シンプルにデジタルの世界でも、同じようにお客さんが何をしてくれたら笑顔で嬉しいと思ってくれるのか、また来たい/買いたいというように思ってくれるのかということから始めるべきです。(紹介したDevice Co-opなどテクノロジーの進歩で、どんどんその辺を意識しなくてもいいようになりますし)

また、そのおもてなしを考える際、その加減も必ず意識すべきことだと思います、その「加減がいい」状態が「心地よさ」を表します。過剰で押し付けがましい体験はマイナスに働くことも多いですし、こちらが便利だと思うことは必ずしも便利ではない、情報量がある=ユーザーを困惑させるだけ、ということもありえます。

ですので、ユーザーファーストで「心地よさ」を意識しつつ、「おもてなし」をどう実現していくのかということが、今後「Experience Business」の波に乗り遅れないために必要ことだと思っています。
Summitで発表された、さまざまなものも、これまでのポイントソリューション(その場その場で特定の問題を解決していくソリューション)から、それを実現できるようになっていくために有機的、統合的に提供できるような環境が具体的に揃ってきているなと感じました。