※本レポートはカンファレンスに参加した著者によるレポートです。一部個人的な見解も含まれていますことご了承ください

今年も米国時間3月27日から29日の3日間、ラスベガスでAdobe主催の年次カンファレンス「Adobe SUMMIT 2018」が開催され、世界45カ国以上から13,000人を越えるデジタルマーケター、ビジネスリーダーが集まりました。
本レポートでは、今年のキーワード「Experience Maker」と、Adobeが得意とするコンテンツクリエイティビティとインテリジェンスを提供する「Adobe Sensei」、デジタル体験を実現する次世代のプラットフォーム「Adobe Cloud Platform」について発表されました。

今年のキーワード「Experience Maker」

“Experience Maker”とは何を意味するのでしょうか。ユーザーは製品を購入したいわけではありません。体験に価値を感じてお金を支払っているのです。ユーザーの本質的なニーズをとらえて素晴らしい体験を創造できる人になろう、それがユーザーの体験をより豊かにし、結果ビジネスも成長する、といったメッセージが込められています。

カンファレンスでは、Experience Makerの本質を以下の3つの基本理念で表現していました。

- Design for Brilliance (創造性のある素晴らしいデザイン)
- Wire for Intelligence (インテリジェンスを使ってデータを洞察力に変えるスキーム)
- Architect for Action (最適なアクションを行うためのアーキテクチャー)

Design for Brilliance

全ては創造性のある素晴らしいデザインから始まります。明確な目的を持ったデザイン、クリエイティビティをもった最先端のデザインをAdobeはいつでも心に留めています。デザインとは見た目だけではなく、モバイルアプリ、スマートスピーカー、さらにはVRに至るまで、デザインは体験を通した複数のチャネルを横断しています。

Wire for Intelligence

インテリジェンスを使ってデータを洞察力に変えるもの。コンテンツインテリジェンスも重要です。データとコンテンツを理解したスキームにより、ユーザに対して一貫した体験の提供を可能にすることができます。

Architect for Action

想像できるすべてのチャネルを通じた顧客体験を提供するために設計された新しいエンタープライズ向けのアーキテクチャーが必要です。社内の課題に上がる部門間のサイロ化を解消し、それぞれの部門の”スターパフォーマー”が自身を改革できるような環境を提供します。
 

Adobeは、魅力的で直感的な体験を実証していて優位性があることを認識しています。この経験におけるデザインに焦点を当てることは絶対に価値のあるものだと考えています。
Adobeの提供するテクノロジーと共にユーザーへインサイトを提供できる人を育てましょう。

Experience System of RecordとAdobe Cloud Platform

顧客体験をエンタープライズレベルで提供するには、プラットフォーム上でシームレスに機能を連携させ、それぞれの組織にあるデータのサイロ化についての課題を解消していく必要があります。
また、Creative Cloudとの融合により、新たなクリエイションの提供のためのアーキテクト再編のための投資に注力していきます。

Adobe Sensei

今回のカンファレンスでは、機械学習プラットフォームのAdobe Senseiに注目が集まりました。
クリエイティブ、コンテンツ、エクスペリエンスそれぞれのキーワードに相当するインテリジェンスサービスの紹介が各セッションで紹介されていましたが、ジェネラルセッションでは、Adobeだからこそできる、クリエイティブデザインの特徴を把握したAIとのクリエイティブな作業プロセスをデモを通じて紹介しました。

まず、Senseiに手書きスケッチを与えると自動的にタグで要素が意味付けされ、ストックイメージの中からタグに一致するイメージが割り当てられます。
ポスター上でレイアウトが一旦決まるまでの制作過程における意思決定も記録しており、さかのぼってどの選択をした際にどのようなイメージとなったのか、影響を確認できる機能(Contents Graph)の紹介も。そして、デモの最後にプロットしたアザラシの画像が動いた際には驚きの声が上がりました。

AIができることはSenseiに任せる、人は人だけが考えられるコンテンツの在り方に注力できるように、本来の仕事に取り組もうといったメッセージを打ち出しています。

Expowering Experience Makers of Today and Tomorrow

この手のカンファレンスではフューチャービジョンを語っているのを聞いて、聴衆側はその少し先の未来を待っている風でいることが、ある意味予定調和的な流れであったりする感も少しあります。

― どのようにしてビジネスにおけるエクスペリエンスを実現するのか?
全員が言う、「HOW」どのように?
課題がスタックしている中で、事例はこうだ、成功事例はこうだと言う中で、
皆が言う、それを「 SHOW」 してくれ。

しかし、実際に会場でデモを見るとやっぱり期待と臨場感で心がいっぱいになります。
本カンファレンスの期間中に発表されたNVIDIAとのパートナーシップ(サービス提携強化)がそうでした。
NVIDIAのGPUのテクノロジー(ゲームに先見性をもたらした経験)を使って、Adobe SenseiのAIサービスの最適化に取り組むといった発表もありました。ECや旅行といった次の新しい現実の世界の体験を具体性をもって視野に入れているというスタンスがうかがえました。

「AIは究極のアシスタントで、アーティストにとっては魔法のような機能であり、そのクリエイティブ能力をさらに高めることができます。また、あらゆる企業がインサイトを獲得し効率化を実現できるよう、支援するものです。AdobeとNVIDIAのコラボレーションにより、クリエイティブとマーケティング分野で働く多くの人々がAIを利用できるようになり、ちょっと前までは想像もできなかったようなパフォーマンスを実現できるツールを手に入れられるようになります」。

引用:https://www.adobe.com/jp/news-room/news/201803/20180329-summit-adobe-and-nvidia.html

“Changing the World Through Digital Experiences …together”

未来のクリエイティブとは? 新しい顧客体験とは?
本カンファレンスに参加した事もひとつの体験価値で、未来の創造性豊かなリアリティのある体験はAdobeによって生みだされるのかも、と感じた数日間でした。