昨年はSXSWを視察してきたのですが、そちらと大きなトレンドは変わらないにしても、イベントとしてはだいぶ違う印象を受けました。
SXSWでは、街全体のお祭りムードもあいまって、あの場で様々な出会いや繋がりが生まれて、それがまた数年後のイノベーションを生み出すんじゃないか?と思わされるような、“まだ見えない未来への期待”を感じさせられましたが、一方のCESは、コンシューマー向けのプロダクト展示が中心なので、より今の自分たちの生活に近い印象。それらの製品を取り入れたときに、自分の生活が便利で豊かになるイメージがわいてくる“手が届きそうな未来感”というのが面白かったです。

そして、とにかくCESは会場が広い!
4日間かけても回りきれないほどの規模とプロダクトの数に圧倒されながらも、今すぐにでも手に入れたいハイテク最新家電や、目新しい近未来的な製品をたくさん見ることができ、ワクワクさせられました。

自動運転、感情エンジン…。『自動車×AI(人工知能)』の動向に注目

運転のできないペーパードライバーの私も無視できないほどの盛り上がりを感じたのが、自動車メーカーの展示たち。
世界中の主要な自動車メーカーが一堂に会する会場の様子は、モーターショーさながらの賑わいでした。

 

そんな中、目立ったキーワードは「AI(人工知能)」。
自動運転の実用化に向けた動きはもちろん、「感情エンジン」「音声認識」などAI技術を応用した機能が話題になっていました。

 

さらに各社、それらの最新技術を支えるIT企業との協業が強化されている点も注目です。
・BMW×Intel
・フォード×Amazon
・日産×DeNA
・ホンダ×Softbank
などなど。

自動車がどんどんテクノロジーと融合してきている様子がうかがえます。

そして、今年の基調講演でも話題になっていたNVIDIAの自動運転車にIMJ視察メンバーも試乗してきました!

道路標識を認識して進路を変えたり、デコボコ道の走行も問題なくすいすい。
手も触れていないハンドルが小刻みに動きながらコースを走る様子は不思議な光景でした。

さらにこれが、一眼カメラのみで走行しているという点も驚きです。
イベント中の試乗でもディープラーニングを続け、学習が反映されていくため、コース上の軌跡も少しずつ変わっているそうです。

家電に話しかける時代の到来! 広がりを見せる『音声アシスタント機能』

今年のCESで、トレンドの1つに感じられたのが「Amazon Alexa」に代表される音声アシスタント機能。

自動車メーカーも、フォードが「Alexa」、日産がMicrosoft「Cortana」の導入を発表していますが、いたるところで音声認識技術を備えた製品を見ることができました。
自動車は特に、運転していると両手がふさがってしまうので、音声アシスタント機能との親和性が高いんですね。

CES 2017のイノベーション・アワード Home Appliance部門を受賞したLGのスマート冷蔵庫「Smart InstaView」は、Alexaに対応したことで
・レシピ検索
・Amazonでの商品注文
・賞味期限管理機能
・買い物リスト作成
・ToDoリスト作成
・タイマー機能
・天気予報チェック
・音楽再生
・Uberの配車手配
を含む、6,000以上の操作が音声認識によって可能とのこと。

冷蔵庫もまた「揚げ物中で両手がベタベタ」といったシーンで、音声操作が便利になってくるのだと思います。
その他、Alexaを搭載していた製品の例では、洗濯機、空気清浄機、ロボット、スピーカー、PC、テレビ、スマホなど、音声操作にする必要があるのか疑問なものもありましたが、製品としては多岐にわたっていました。

個人的には、いまだにSiriに喋りかけることすら恥ずかしくて抵抗があるのですが、近い将来には、部屋で独り言のように……いや、誰かと会話をしているかのように、
「お水1ケース買っといて!」
「電気とテレビとエアコン消して!」
「パパに何時に帰ってくるかメールして!」
「明日6時に起こして! 7時にタクシーも呼んでおいて!」
などと、家電に話しかける光景が当たり前の時代になってくるのでしょうか。

「それ私に言ってるの? それともAlexaに言ってる?」
なんて家族の会話も出てきそうですよね。

壁に“貼れる”極薄テレビ登場! 次世代ディスプレイ『有機EL(OLED)』とは?

スマートベッド、スマートヘルメット、スマート自転車、スマートヘアブラシ……と、何にでも“スマート”が付いていた今年のCES。
ただ、テレビの分野で特に話題になっていたのは、ネットに繋がるスマートテレビではなく、形状が“スマートな”テレビでした。

この、驚きの薄さ……!!

Sony

Sony

LG

LG

Sonyのテレビ(左)はまるでベニヤ板を立てかけているようだし、LGのテレビ(右)は壁にシートか何かを貼り付けているかのよう。配線もスッキリしているとこが良いですね。

Sony「BRAVIA OLED A1E」

Sony「BRAVIA OLED A1E」

Sonyのテレビは、スピーカーさえなくし、なんと画面から音を出すそうです。
たたずまいもクールでカッコイイ~。インテリアとしてもおしゃれです。

LG「LG OLED TV W」

LG「LG OLED TV W」

LGのテレビは、Wallpaperの頭文字を取り「Wシリーズ」と呼ばれているように、コンセプトもまさしく“壁紙”。
背面に磁気が仕込まれていて、専用のブラケットを使えば壁にぴったり貼れちゃいます。こちらは今年のCESでVideo Displays部門の最優秀賞にあたる「ベスト・オブ・イノベーション」にも選ばれていました。

LG「LG OLED TV W」

LG「LG OLED TV W」

そして、この薄さを実現させているのが、液晶に代わる次世代のディスプレイ「有機EL(OLED)パネル」の存在。
ペラペラと手で曲げられるほど薄く軽い形状で、自発光のディスプレイなので、液晶のようにバックライトを必要とせず、黒色を美しく再現することができるそうです。
その映像の美しさを体感することができたのがLGのブースにあった、有機ELパネルを組み合わせたプラネタリウムのようなトンネル。

色鮮やかで迫力のある映像は圧巻でした!

まるでSF映画のワンシーン? 『ホログラフィー』が気になる!

まだ大きな盛り上がりは見せていませんが、IMJ視察メンバー内で注目していたのがホログラム技術。
BMWが発表したホログラム式コンソール「HoloActive Touch」も話題になっていましたが、CESのスタートアップ向けエリア、エウレカパーク内では、こちらのホログラムディスプレイ「Kino-mo Hypervision」の展示に大きな人だかりができていました。

昨年も同社の展示があり賑わいを見せていたようですが、今年も変わらず会場では大盛況。
LEDのついたプロペラを回転させることで映像を表示しているのですが、9つのプロペラを1つの画面に見立てて映し出される映像は、空中に浮いているかのようで近未来的でした。
この1年でVRの3D映像も見慣れてきて、感動体験を得られなくなってきたなーと感じていたので、次はこのホログラム技術にも注目したいと思っています。

_________________________________

以上、現地で感じたトピックスのレポートでした。

音声認識も含め、AI技術の盛り上がりを顕著に感じたCES 2017でしたが、他にも「VR/AR」、「5G(第5世代移動通信システム)」、「Sleep Tech」、「SmartHome」、「ヘルスケアデバイス」など、気になるキーワードで溢れていました。
今後はこれらの技術をどのように活用していくかの“アイデア”や“デザイン力”が差別化のポイントとなってくるのではないでしょうか。

 

>>CES 2016のレポートはこちら!
「CES 2016で見つけた、最新技術がスゴかった!」