そもそもチャットBOTとは?

「チャットBOT(Chatbot)」とは、チャット(会話)とボット(ロボット)を組み合わせた言葉で、チャットで会話するような感覚でサービスを提供することができるインターフェイスの総称です。LINEやFacebook Messengerなどメッセンジャーアプリの普及や、AIの進化を背景に台頭してきたサービスです。

チャットBOT=AIというイメージが強いかもしれませんが、優れた自然言語処理が可能なAIは搭載せずに、あらかじめ設定されたシナリオのみで動作するチャットBOTも多く存在します。

チャットBOTで、何ができるようになる?

チャットBOTサービスの方向性は、大きく

  • 「サポート(問い合わせ)」
  • 「エンゲージメント(ファン育成)」
  • 「コンサルティング(課題解決・情報提供)」

の3つのカテゴリーに分けることができます。
3つのサービスの方向性を、実際の導入事例から詳しく見ていきましょう。

1.サポート(LOHACO マナミさん)

カスタマーサポートの自動応答化=チャットBOT化には、多くの事例が存在します。
チャットBOTが全く新しいサービスを作り出すわけではなく、従来のカスタマーサポートを提供するための新しい手段としてチャットBOTが活用されています。

アスクル株式会社が運営するインターネット通販サービス「LOHACO」が導入しているのは、お問い合わせをチャットで受け付ける「マナミさん」。
今では、全問い合わせの3分の1をマナミさんが対応することで、従来と比較して6.5人分の人件費削減に成功しています。

送料や返品、領収書について質問してみたところ、LINEのトークでスムーズに教えてくれました

「マナミさん」のポイントは、ユーザーの問い合わせが自動応答エンジンで解決することができないと判断された場合に、有人チャット対応に切り替わりオペレーターが直接対応できるようになっていることです。

人工知能の自然言語処理と有人サポートを併用した、ハイブリット型のチャットBOTです。

「マナミさん」の導入により、カスタマーサポートをLINEという新たなチャネルで提供できるようになり、人件費の削減も実現することができたことは、チャットBOT導入の成功事例と言えるでしょう。

2.エンゲージメント(『名探偵コナン』 安室透)

「チャットBOT=便利」なだけではありません。時にはファンとの密接なコミュニケーションの手段としても機能します。
週刊少年サンデーがコミックの販売促進施策として実施した、『名探偵コナン』の登場人物「安室透」とLINEで会話ができるキャンペーンは、その代表例です。

書店で作品の関連書籍を購入することで貰える安室透の名刺のQRコードから友だちになると、会話が可能に。

ファンがこぞって友達追加し、その会話の内容がTwitterでも話題となっています。

好きなキャラクターとLINEができる、というファンにとってはたまらないこの施策。特に注目すべき点は、返答のバリエーションが非常に多く、ユーザーがいろんな言葉の入力を試したくなるという点です。
さらに、「安室君がこんなこと言ってくれた!」というファンの喜びや驚きはSNSで投稿され、他のユーザーに書籍購買を促進したり、作品への興味を喚起することにもつながるのです。

チャットBOTが可能にするキャラクターとの距離の近いコミュニケーションが、エンゲージメントの向上とソーシャル上での告知につながっている、非常にうまく設計された施策です。

3.コンサルティング(CHINTAI チンタイガー)

ユーザーが求めている答えを返してくれるのが、「サポート」カテゴリーだとすると、こちらのカテゴリーはユーザーの「相談に応えてくれる」チャットBOTサービスを指します。

不動産会社のCHINTAIがLINEで導入したチャットBOTは、ユーザーが探している物件の条件をフリーワードで入力したり、位置情報を送信したりすると、その条件に合った物件を自動で探してくれます。
検索結果として提示されたいくつかの物件のボタンを押すと、CHINTAIの物件詳細情報ページに遷移します。

部屋の条件を送信すると、外観の画像付きで物件リストを送ってきてくれます

もともとWebサイトにあった検索機能をチャットBOT化し、LINEという新しい接点を創り出すことに成功しています。また、チャットという手軽な形で検索を進めることができ、ユーザーの体験としても非常にスムーズです。

その圧倒的な手軽さからか、「やっぱりちゃんと調べるならWebサイトや店頭で…」というユーザーがいることも事実ですが、「入り口」や「きっかけ」としてはLINEというタッチポイントは非常に適しています。

サービスのすべてをそこで完結させるわけではなく、サービス利用のスタート地点としてチャットBOTを導入するという考え方もできるのではないでしょうか。

チャットBOTによって、多様なデータ収集が可能に。

3つのカテゴリーに分けてチャットBOTサービスの事例を紹介してきましたが、これらはあくまで、自社のチャットBOTサービスの軸をどこに置くかの指標なので、複数のカテゴリを組み合わせた、より広いチャットBOTサービスを提供することももちろん可能です。
例えば、ゲームのメーカーが、キャラクターと会話ができるようなエンタメコンテンツと、ゲームに関するお問い合わせサービスを、一つのチャットBOTで同時に提供してもいいわけです。

また、サービスの幅を広げることで得られるメリットとして、収集データの多様化が挙げられます。

顧客のニーズを把握するためのデータ収集は、すべてのチャットBOTサービスに共通する特徴です。ボットとの会話から得られるユーザーの声に含まれる、傾向やインサイトを、自社のマーケティングに生かすことができるのです。

データの幅が広がり、ユーザーが感じていることや求めていることが、より鮮明に見えてくれば、最適な1to1のプッシュ配信なども可能になるかもしれません。

チャットBOTによって得られた情報を元にセグメント配信を行い、従来のオールターゲットの配信よりも開封率が上がった事例も実際に存在します。
学生のモチベーションを高めて継続を。 LINE@チャットBOTで“学習”をサポート

中長期的な運用方法やデータの活用方法を考慮した設計を行うことで、より優れたチャットBOTサービスを作り上げることができます

まとめ:会話で「ジブンゴト化」されるユーザー体験

これまでさまざまなチャットBOTサービスが開発されてきましたが、やはりチャットBOTの一番の魅力は、チャットの会話によってユーザーの体験が「ジブンゴト化」されることです。
実際に、チャットBOTでは会話中の離脱が低く、会話を始めたユーザーはそのあとも会話を継続してくれる傾向が強いことがわかっています。

また、従来のメールマガジンと比べて開封率(LINEのプッシュ配信への反応率)も高く、メールと同じ内容を配信しても、最終的にユーザーに提供したい情報(自社サイト内のページなど)に辿り着くユーザー数はチャットの方が多いのです。

受動的に「与えられた」情報よりも、会話という能動的なアクションによって「自ら得た」情報の方が、ユーザーにとっては圧倒的に重要と感じるのではないでしょうか。

この特性をうまく生かすことができれば、今まではユーザーに届いていなかった情報もうまく届けることができるようになるかもしれません。
「メルマガの開封率が下がってきている」、「届けたい情報になかなか触れてもらえず困っている」等の課題に心当たりがある方は、自社サービスへのチャットBOT導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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