※本記事では、
●時短勤務:家庭環境などの理由で、通常よりも短く指定した勤務時間で働くこと。IMJでは小学校就学前の子の養育または家族の介護を行う社員が対象。
●在宅勤務:職場に出勤しないで、自宅で業務を行うこと。IMJでは育児、介護理由の場合はグレードに関係なく申請可能。その他は一定のグレード以上で申請可能。
●リモートワーク:会社以外の場所で遠隔で仕事を行う働き方のこと。
という意味合いで使用しております。

 

【インタビュー参加者紹介

  • 弓削さん
    データプラットフォーム部門
    本部長

  • 青木さん
    制作マネジメント部門
    部長

  • 吉岡さん
    コンサルティング部門
    部長

  • 稲葉さん 
    クリエイティブ部門
    部長


  • インタビュアー: 大澤
    i・IMJプロジェクトリーダー

 

多様性ある働き方…IMJの現場の実態はどんな感じ?

大澤:初めに、皆さんがマネジメントされているメンバーの総数と、時短勤務や在宅勤務制度を取り入れている方の状況をプロットしてみました。以下の表をもとに、皆さんの働き方について聞いていきたいと思います。


弓削:僕の部署は、女性2名が育児で時短と週1回の在宅、男性1名が育児で在宅勤務を利用しています。男性社員は奥さんが忙しくなり、時間を上手く使って育児と仕事両方をこなさないといけなくなって、在宅利用を開始しました。彼自身の業務の特性上、リモートでやりやすいということがあったので、特に問題なく導入に至りました。

青木:僕のところは、女性1名が育児で時短利用していますね。そして、メンバー全員がリモートワークに慣れています。福岡と沖縄に事業所があり、そこのメンバーと日々やり取りしているので、リモートワークが仕事の前提なのです。会議もチャットやビデオ通話を使用してやることが当たり前です。

吉岡:うちは男性1名、女性2名が育児で通常勤務に週1回の在宅、女性1名が時短利用です。2、3年前に育休明けの時短メンバーの受け入れをしたのが初めてだったのですが、これだけ多いと今では当たり前になりましたね。

稲葉:僕の部署は男女1名ずつ、育児で週1回の在宅勤務を利用しています。昨年までの在宅適用ルールには在宅勤務制度を利用するには本人と配偶者が共働きという条件があったようなのですが、今後在宅勤務の対象が拡大される動きがあったので、その前例になってもらおうと今年から始めました。

大澤:営業中心の部署はまだまだこれからですが、時短やママの女性もいるし、女性自体が増えてきて、ここ数年で、「男性の職場」感は若干変わってきましたね。男性でも家族の体調や出産の立ち合いでのお休みは普通になりましたし。自分自身も朝方に変えたり、リモートワークを増やしたりしています。

時短、在宅、やってみて変わった部分、うまくいかなかったこと


大澤:皆さん、どうですか、実際やってみて。現場ではいろいろ苦労も多いと思います。

吉岡:初めは時間が合わなくてどうしよう、と思いましたが、時間は合わせればよいことだし、帰る時間なら仕方ないし、とだんだん自分の気持ちにもそれが普通、と納得感が出てきました。だって、時短や在宅でなくても、お子さんやご家族が病気で遅れます、休みます、なども普通にあることですからね。自分だけじゃなくて家族と生活しているから突発的でどうしようもないこともあるよなぁ、と。メンバーの構成に合わせて、徐々に納得感は醸成されていくんじゃないでしょうか。

弓削IMJも既婚率、お子さん持ちの率増えましたもんね。吉岡さんのところは特にそうかな。

大澤:そうですね。この数年で既婚率もお子さん持ちの率も上がっているようです。この年代の人材をボリュームゾーンとして抱えているIMJとしては、子育て世代への対応は会社として非常に重要で、経営アジェンダと言ってもいいんじゃないでしょうか。子育てしていない層と子育てが終わった層だけを雇用するわけにはいかないですからね。

稲葉:多様な働き方の人が増えてきたのは、喜ばしくもあり、一方で自分が力不足で反省することも多く、難しさも感じています。
過去、時短や在宅を取り入れていたメンバー数人に「やっぱり罪悪感がある」と言わせてしまったんですよ。その人たちはきちんとタイムマネジメントしていたし、周りや自分が何か言ったわけでもないんですけど。どうやら、繁忙期は深夜残業している人も多い中で、休んでいるわけでなくても会社にいない、ということに罪悪感を抱いていたようです。それを聞いた時に、周りへの理解促進が足りなかったな、と反省しました。
 


大澤:周りへの理解促進とは、具体的にどういったことですか。

稲葉:まずアウトプット、成果を報告しあうことが大切なので、現在は部会などで今やっていることを報告し合ったりしています。会社にいるかいないかではなくて、これをやっているよね、と。あと、時短や在宅の人には、やっぱり何かあったとき、代わりに対応してくれるサポートは要るので、業務分担の最初の段階でチームの誰かにサポートをお願いすることもしています。

吉岡:うちは在宅や緊急帰宅の際は、部門のメーリングリストに今日は在宅日です、とか、緊急で帰宅します、とポストしてもらっていて。在宅・時短を取り入れているメンバーも、そうでないメンバーも、肌感的に慣れてもらっています。

大澤:状況やアウトプットの開示は大事ということですね。やはり重要なのは信頼関係ということでしょうか。

吉岡:そうですね。過去には信頼関係が築けず、うまくいかなかった例もありました。在宅していたメンバーとコンタクトが取れなくなるケースが頻繁にあって、プロジェクトのメンバーも、マネジメント側もいつも連絡が取れなくて困って、どんどん疑いの目で見てしまうようになって。その時はルールを新たに追加することで信頼関係を維持できるようにしましたね。

弓削:僕のチームはリモートワークのメンバーも多く、今後ますます場所に関係なく仕事ができると思ったので、今いるメンバー全員に思い切って在宅の申請をしてもらおうかとも思ったんです。そしたら、こういう制度を大事にしていくなら、安易に対象を広げ過ぎるのもどうか、という声もあがりました。悪用する人が出てくると今ある制度に締め付けが入って、本当に必要な人が使いづらくなってしまうと。吉岡さんの話を聞いて、確かにそうだと納得がいきますね。

リモートワークのコツはエラー回避にあり

大澤:青木さんの部署はリモートでやり取りすることが多い、とのことですが、普段どんなことを意識されていますか?

青木:僕のところは、外部のパートナーや、東京、福岡、沖縄の拠点のメンバーを組み合わせてチームを作り、制作系の業務をマネジメントする部署なので東京のオフィス外の人々と仕事をすることが多いのですが、常に役割分担の切り分けを考えながら、バトンタッチをうまくしてもらえるように考えています。

大澤:分担している境目の業務が落ちてしまったり、どっちが責任持つかとか、よく言われる“お見合いエラー”が起こりそうですが……。
 


青木:そこは難しいですが、ここは落ちそうだから割り切らないでやってほしい、というのはマネジメントのところから双方に働きかけて、エラーは事前に回避するようにします。そしてそういうことが補い合えるチームでないとリモートワークでのチームはまず成り立たないですね。

吉岡:業務でのエラーを回避する点については、チーム二人体制にして補うこともありますね。業務が落ちて炎上した時のことを考えると、一時的なダブルコストになってもやっていく必要があると感じています。

弓削:最近効率重視で仕事が細分化され過ぎている傾向もありますよね。一人の仕事の幅が狭い気がする。どこかで隣の人のスキルとクロスオーバーしてやっていけるかということが大切だと思いますね。キャリアの育成上もその観点は必要じゃないかな。

多様性ある働き方の中で、キャリアプランはどう考える?

大澤:キャリアの育成、というワードが出ましたが、時短や在宅勤務が拡がっていく中で、メンバーのキャリアプランはどう考えていますか?
一般的にも、IMJでも、ちょうど子育てに入るぐらいの年齢は、スキルはそれなりに持っているけど、自分の裁量だけで判断というわけにもいかない中堅の入口、というケースが多いと思います。中堅の入口、パパママとしては新人、働き方の変化、が一度に押し寄せることがすごくハードルが高くなっているのでは、と思うのですが?

稲葉:僕らのところはデザイナーという職種上、ある程度スキルを必要とする案件とか、目に見えて自分で達成した感がないと停滞してしまうところがあるので、時短だとスキルアップとのバランスを取るのは苦労しているなとはた目で見ていて感じるときもあります。でも今、社内の仕事の幅が広がってきているおかげで、そういった状況も変化しつつあります。昔は大規模なサイトをアートディレクター(AD)から指示を受けて、デザイナーが何人かついて大きなチームで作っていくという仕事が多かったので、ADが在宅、デザイナーが時短などのケースではすれ違いもあったのですが、今ソーシャルの案件などでは感性を活かして企画・撮影・デザインまで一人で行う、なんてケースもありますから、IMJのクリエイティブも変わってきましたね。

大澤仕事の幅が広がったから、働き方も多様化できるようになったということですかね?

稲葉:そうですね。新しい働き方ですよね。

弓削:ちょっと前は、IMJでも育休後に専門職に戻るのを、本人も受け入れ側もちゅうちょしてしまうケースが多かったのですが、最近は元の部署にそのままで戻れていますね。

吉岡:うちはプロデューサーやディレクターからの異動を受け入れましたが、そのメンバーは、今すごく活躍してくれていますよ。稲葉さんの言葉を借りると、仕事の多様性が増えたから、というのもあります。
働き方に合わせた仕事を作るには、メンバーの得意領域を把握することがすごく大切ですね。
 


弓削:そうですよね。以前システム開発の部署をマネジメントしていた時に、データ構造とかデータの流れとかがすごく好きなメンバーがいて、育休を取って復帰した際に、テスト設計チームを作るタイミングと重なって、そのスキルも活かせて、働き方にもうまくはまって無事復帰して軌道に乗れました。復帰後のキャリアをうまく設計してあげることも大事ですね。
 

大澤:以前ママ社員と座談したのですが、みんなスキルのあるメンバーだったので、やりたいことやできることを周囲に伝えるのがすごく上手で、マネジメント側が得意領域を把握するのに助かるだろうな、と感じました。ちなみに、時間の制約はあるけど、もっとハイレベルなことを追求したい、とリクエストがあった時に、今だったらどんな仕事を作ってあげられると思いますか?

青木:僕らのところでは、今福岡の拠点が立ち上がったばかりなのですが、遠隔地にありがちな単純作業の領域ではなく、クリエイティブやディレクション領域で尖らせていきたい、という方針があるので、その領域はどうですか?と提案しますね。リモート前提なので、どう組んで連携させるか、という違う意味でのクリエイティブも必要になります(笑)。

稲葉:時間の制約があってもクリエイティブを追求したい、発揮したい、というメンバーは、やっぱりやるときはお子さんを寝かせた後とか、早朝とかにやっていますね。きっちり9時5時だとやっぱりプラスアルファは出しづらいこともあるので。

青木:あと、目標設定の仕方で仕事のレベルは上げていけると考えているので、目標設定は工夫しています。無理させすぎないように、でも、逆に抑えすぎてもその人の自信にならないので、適度にストレッチしてもらうのも大切ですね。自分の尺度の中の2割増しぐらいを目安にして考えてもらう。それを心がけていますね。

大澤:以前、他の時短勤務のママ社員のマネージャーに話を聞いたのですが、青木さんが考えておられるように、「仕事のレベルを下げないよう気にかけている」と話していたので、そういう視点で接してもらえると、時間や場所の制約があっても、キャリアについて相談できてメンバーは嬉しいでしょうね。

後続のマネジメントはどう育てる?

大澤:今日集まってもらった方々はメンバーのことをすごく考えてくれている方々だと思うのですが、そういうマネジメントのノウハウ、スキルはどう育てていったらいいと思いますか? IMJは中間マネジメントへの育成投資はまだまだ不十分だな、と感じていますが。

稲葉:それでいうと自分はほんと、メンバーに育てられました。デザイナーってマネジメントに興味がない、という人も多いのですが、僕もまさしく最初はそうで、正直仕方なくやっているところがありました。でもその空気がきっとメンバーにも伝わっていたんだろうな。みんなが気を使って相談してくれて、でも初めての経験のなかで失敗もして。失敗したらそのぶん悔しいし、ふがいないっていう気持ちになるし、逆に上手くいったときはメンバーの嬉しそうなところが見えて、自分のことよりも嬉しかったりもするし、そういう気持ちは初めて芽生えましたね。

吉岡:やっぱりメンバーからもマネージャーからも発信していくことで双方育つんじゃないかな。メンバーにこうしたい、って言ってもらえることはいい組織にするためにありがたいし、それにちゃんと返したりすることってすごく大事だなと思いますね。そういうやり取りをちゃんとしていくことがマネージャーとして成長することにつながるし、意義があることかな。
 


青木:今の吉岡さんの話に共感なのですが、こうしたい、こういうことやっていきましょう、って言う人を、その人自身が主幹になって提案し、回していけるように育てていきたいですね。そういう人が次のマネージャーになる人かなと思います。

大澤:弓削さんは、メンバーのキャリアパスを細かく作ってこられたりとか、いろいろされてこられた印象がありますが。

弓削:今、僕は組織が変わって新しい部署になって1年なので、新米マネージャーの気分です。今思うと前の時は、組織化して各レイヤーのマネジメント陣がよく目配りしてくれていたので、すごくやりやすかった。今は小さな組織に合わせて、僕自身もメンバーとの距離感、視点の合わせ方などに悩むこともありますね。

大澤:弓削さんが一番マネジメント経験が長いのに意外ですね。ローキャリアのマネジメントは今の弓削さんと同じく悩んでいる人が多いんじゃないかな。経験の多いマネジメントとして、まだ経験の浅いローキャリアのマネジメントにかけてあげたい言葉は?

稲葉:そもそも今日みたいな場がないので、かけてあげたい言葉どころか、今日たくさん気付きをもらいました(笑)。

吉岡:うちの部門では今期から各事業部のマネージャーが月イチで集まる会議をやっていますよ。やっぱりマネジメントの横の繋がりネットワークを作ることも大事ですよね。

大澤:マネジメントの横の繋がり。確かに今あんまりないかもな~。そういう交流の場を作ってみるのもよさそうですね。

皆さん、貴重なお話ありがとうございました!

 

i・IMJダイバーシティプロジェクトでは、引き続き、ダイバーシティをテーマに座談会記事を執筆していく予定です!

IMJが進める「i・IMJ DIVERSITY プロジェクト」とは?

企業の成長に必須とされる多様な人材活躍のための環境整備や意識改革に取り組むため、2016年に発足。メンバーは現場社員を中心に構成され、社内の意見を取り入れながら改革を進行中。

プロジェクト名の「i」は「個」「Identity(個性)」「Inclusion(包括)」を表し、多様性のある個の集まりが価値を発揮することで、包括的な視点をもったIMJを作り上げることを表現しています。