LINEはもはや“マス”なメディアに。

江端 この度はLINE ビジネスコネクト パートナープログラムに選定いただきありがとうございました。

田端 こちらこそお待たせして申し訳ありませんでした。

 

江端 最近、いろいろなメディアを見ていると、LINEはテレビと同じぐらいの力を持ちつつあるような気がします。

田端 ええ、そういった感触はありますよ。すでにマストバイスタンプは、メーカーさんと小売り業者さんの間の商談で使っていただいています。テレビスポットのキャンペーンをたくさん打っているのも、棚おさえを援護するためですしね。

江端 いま、マスメディアといえるのは、テレビ、ポータルサイト、そしてLINEですよね。テレビは音があるから、画面を見なくても耳から情報が入る。あと、スポーツ中継とか、ライブ感をみんなで共有したいものはテレビに合ってますよね。でも、ひとりで見るものはスマホで充分かな。

田端 LINEでもTwitterでもリアルタイムで見たいのは、みんなでワイワイ盛り上がるもの。そうでないものはリアルタイムで見る必然性がないし、いまでは、どっちがメインかわからないですね。

江端 みんなでもひとりでも、LINEがGRP(延べ視聴率)と同じ効果があるとか、そんなメリットが出せるといいですよね。たとえば、1カ月間、公式アカウントでスタンプを出せば、効果は2000GRPと同じとか。

田端 それいいですね。ハードウェアとしてのテレビの普及率とスマホの普及率は、近い将来そう変わらなくなるだろうし、接触時間でいえば、スマホのほうが長くなっているかもしれません。しかし、テレビのGRPと、スマホのインプレッションや動画のストリーミング、LINEスタンプの送信回数、公式アカウントの友達数などとの為替レート(比較・置換のレート)は定まっていないですからね。クライアントさんのデジタル予算はだいたい1割が目安でしょうか。でも、そもそもなぜ1割なのか、と。そこに明確な理由はないんですよ。

江端 1割なら出す側もなんとか我慢できるって感じかな。でも、もうその時代は過ぎたと思いますよ。

田端 その1割から増やしていくための武器を、LINEが持たせてあげたい。予算配分を最適化するロジックが必要ですね。

企業の特色の出るLINE ビジネスコネクトの活用法。

江端 LINEさんはメディアとしてどんどん突き進むかと思いきや、法人ビジネスへもいち早く参入しましたね。LINE ビジネスコネクトも2年目になりますか。

田端 LINE ビジネスコネクトの発表は2014年2月ですから、まだ1年半も経ってないんですよ。

江端 御社ではLINE ビジネスコネクトをどんどん活用されていますが、どのような事例がありますか?

田端 LINE ビジネスコネクトは、3つに大きく分かれます。まず、日本コカ・コーラさんのジョージアのような事例。そして2つ目は、ZOZOTOWNさんのような事例。ZOZOTOWNさんでは、ZOZO IDとLINEのアカウントを紐付けて、今まではメールでECサイトなどがレコメンドしていたものをLINEで届けるようにしたんです。3つ目は、コンタクトセンターのサポートチャネルをLINEで置き換えるような事例。人力でやるケースとAIでやるケースを分けるわけです。

江端 なるほど、まさにいろいろな場面にLINE ビジネスコネクトが使えるわけですね。弊社では、LINEをキャンペーンの応募に使いました。従来はハガキにレシートを貼って投函したり、PCやメールで応募していたものを、スマホでLINEを使って応募できるようにしたものです。対象商品のレシートを撮影して企業のLINEアカウントに送信すればOK。手軽だし、早い。マーケティング活動もスムーズに進みますね。

田端 それぞれの企業さんの特色も出ますし、どんどん増えていくと思います。

江端 弊社も、このマストバイシステムをさらに活用していくつもりです。最近では、レシートに加えて、シリアルコードをLINEを使って応募できるシステムも開発しました。IoTが進めば、RFIDで自動的にスタンプが届くようにするとか、現状でもレシートを使ったマーケティングもできるような気もしますし、どんどん広がりそうですね。

LINE ビジネスコネクトのポテンシャルを使いこなすために。LINEとIMJは密接な“補完”関係に

江端 弊社のようなデジタル専業企業は、他のメディア会社さんや代理店さんとは違うところもあると思います。LINE ビジネスコネクト パートナープログラムの認定企業として、LINEさんからIMJに期待される点は、どういうところにあるのでしょうか?

田端 LINEの広告ビジネスは、単なる枠を提供する媒体社に留まるつもりはありません。スマホ、LINEというツールで企業のマーケティングのプロセスをどう変えられるかというのが、究極のゴールだと思っています。バナーが入稿され、高い単価で売れて満稿になれば、それでよいというものではないんです。もちろん、偉大なライバルもまだまだ存在するのですが、それを仮想敵とするだけでなく、斜め上の部分でLINEが展開していければいいなと思うんです。

 

江端 マーケティングのプロセスを変えるというのは、すごく大事な発想ですね。

田端 そのためにLINE ビジネスコネクトというものがあり、LINEで簡単に予約できたり、物販、ECに抜けられたりとか。LINE Payとも含めていうとそこで決済もできて、たとえばピザがLINEで頼めて買えてしまうとか。あとはカスタマーサポートですね。クレームはもちろんあってはいけないのですけれども、いろいろな処理ができたらいいなと。

江端 クレームは、お客さまの励ましの言葉だと思えばいいんですよ(笑)。お客さまの反応を瞬時に捉え、分析してビジネスとして利用していく。そのつながりが大切ですよね。

田端 お客さまが何かを買ったところで終わりではなくて、買った後にロイヤリティが上がり、継続的にファンになっていく。プロセスそのものに介在していくことが大事だと思うんです。でも、我々はあくまでもプラットフォームの立場なので、個別の案件にはぐいっと入っていけないんです。受け側の仕組みが変わらない限り、この部分は変わりません。凸と凹のようにぴったりかみ合わないと、LINEの本当のポテンシャルも使いこなしていただけないんです。その仕組みの最も始まりの部分となるWEBサイトの立ち上げから行われているIMJさんには、期待する部分は大きいです。御社の事業内容とLINEは、補完関係があると思っています。

ライフスタイル自体を変えていく、LINE ビジネスコネクトで広がる未来

江端 LINE ビジネスコネクトにつながることで、マーケティングコミュニケーションだけでなく、ライフスタイルそのも のが変わっていきますよね。たとえば、セキュリティ会社と組んでLINE セキュリティといったものができるかもしれないし、いろいろな可能性がありそうです。LINEでオートキーロックとか、ね。

田端 スマホで遠隔操作とか、いろいろできそうですね。

江端 それがマーケティングなのか、プロダクトなのか、ビジネスなのか。いろいろな要素が混じっていて、そこをGoogleさんなどが狙っているのでしょう。インフラ的には、LINEはほかのプラットフォームとは明らかに違いますよね。

田端 LINE ビジネスコネクト+LINE+スマホの組み合わせは、IoTのなかでのあらゆるものへのリモコン、コマンドボタン、コマンドセンターになり得ると思っています。

江端 ヒューマンインターフェイスですね。

田端 まさにそれです。たとえば、留守中の自宅に誰かが訪ねてきたら、インターホンのカメラからLINEにつながり、誰が来たかわかって「いまいないけど戻るから、10分待ってて!」とやり取りできるとか。宅配便でもそういうやり取りができそうですね。

江端 不在のときは配達員に「留守でごめんね」とスタンプを送るとか、いいかも(笑)。いろいろなコミュニケーションができますよ。

田端 配達員ともパーソナルでつながるかもしれない。いいですね、広がりますよ。リアルのLINE ビジネスコネクトでは、伊藤忠都市開発さんの話が出たところですね。マンションの管理人と住人がLINE ビジネスコネクトでつながるという。

江端  そのつながりは今までにまったくなかったものですよ。IoTの基盤にもなり得ます。IMJにもそういう提案をという話が来ていて、LINEも提案すればよ かったかな(笑)。うまく稼働すると、LINE ○○というサービスは簡単ですぐに使えて説明書がいらなくて、という便利なブランドになっていくような気がします。

LINE ビジネスコネクトを導入=ユーザーフレンドリーな会社というブランディング

田端 エンドユーザーの企業さん向けに、インテルが展開する「Intel Inside」のような、LINE ビジネスコネクトのロゴを作ろうという企画があがっています。ショルダーやフッターに置いてもらうロゴです。

江端 おもしろいですね。そのロゴが付いた製品が出てくるかもしれない。

田端 LINEが使われているものにロゴが付いたら、その影響力ももっと広がると思うんです。関西電力さんの電気料金の通知がLINEで届くようになるんですが、そのことを告知することからのスタートです。ロゴがあれば、話は早い。

江端 テレビCMや提供テロップの最後に出るとかね。

田端 ピザ屋さんが配るチラシなどにもLINEロゴが入っているとか、そうなるといいですね。この会社はLINEで双方向のコミュニケーションを持てる会社だと、みなさんにもひと目でわかっていただけるようになります。共通のアイキャッチが必要ですね。

江端 お客さまにうまく利用していただくことも大切ですよね。

田端 いままでは御社のビジネスなので、おまかせしますという姿勢でしたが、今回からは、素材を用意して、このガイドラインに従って積極的に告知してください、という方法にしていきます。告知のトーンやロゴが定まってなかったので、認知しにくかったんですよね。その点はもったいなかったと思っています。

江端 可能性をさらに広げて、実現していきたいですね。本日は、お忙しいところありがとうございました。