2017年炎上コンテンツ振り返り

覚えている炎上もあるはず。2017年に物議を醸した事例の中から、特に目立ったものをいくつかご紹介します。

・ソフィ/ムーニー(ユニ・チャーム)

参照元:http://www.unicharm.co.jp/tampon/infoindex.html

5月に動画メディア「C CHANNEL」で公開されたPR動画内で、男性に聞いた「彼女の生理中に困ったことがある?」というアンケート結果の発表に
「自分が快適だから使うのではないの?」などターゲットである女性からの批判が集中。
#ソフィーの生理用品は買わないというハッシュタグまで登場し被害が拡大……。
炎上後、動画は削除され、公式サイト「タンポンNavi」にはお詫び文が掲載されました。

ユニ・チャームは、奇しくも同じ時期に「ムーニー」のWEB動画が炎上。
「はじめて子育てするママヘ贈るムービー」の内容が育児を全て母親が行っているような印象を与えることから、「ワンオペ育児賞賛?」と批判を浴びました。

こちらは2016年12月に公式YouTubeで既に公開されていたものの、2017年4月に公式Twitterで紹介後、じわじわ拡散されたもよう。
YouTubeの動画は炎上後も公開を続けていましたが、年内にひっそりと削除されたようです。

・「頂」(サントリー)

参照元:https://www.suntory.co.jp/beer/itadaki/

7月に公開されたサントリーのビール「頂(いただき)」のWEB広告動画「“絶頂 うまい7%”の魅力を紹介する体感型ムービー『絶頂うまい出張』」は、
女性の台詞や表情が性的な表現を連想させる要素を含んでいたことで「下品」「不快」と炎上。わずか1日で公開中止に。

・宮城県PR

参照元:http://www.sankei.com/life/news/170710/lif1707100038-n1.html

8月には、タレントの壇蜜さんが出演した宮城県の観光促進ムービーが炎上。性的に受け取られかねない台詞やシーンが多く含まれ物議を醸しました。
またタイミングがサントリー「頂」炎上に近かったこともあり、「サントリーの次は宮城県」とつぶやくユーザーも。動画は予定より早く公開終了へ……。

県知事による「私としては(動画を)面白いと思っている」「賛否両論あるのが成功につながっているのではないか」などの発言も火に油を注ぐ結果に。

・牛乳石鹸

父の日に公開されたWEB動画が、公開2カ月後の8月に炎上。
自らを「家族思いの優しいパパ」と表現するも、「子どもの誕生日に飲みに行き、妻の連絡を無視」するなどその行動と家族像の描き方に批判が集まりました。
現在動画は削除されています。

参考記事 「牛乳石鹸」広告が炎上、「もう買わない」の声 「意味不明」「ただただ不快」批判殺到

動画以外での炎上例

以上は全て動画から始まった「炎上」でしたが、もちろん他のコンテンツでも危険度は同じ。

・少年ジャンプ+

時系列は前後しますが、4月には漫画家の矢吹健太朗氏による女子トイレマークが「卑猥」と声が上がり炎上しています。
企画は編集部の依頼で実現し、作風を理解するファンからは援護の声もあれど、女性の裸体や生々しい表現のイラストに不快感を抱いたユーザーが多数。
サイトでは該当漫画が掲載中止となり、公式Twitterアカウントからは謝罪ツイート、編集部からはお詫び文が掲載されました。

・フジテレビ

WebコンテンツではないもののSNSで炎上した例は、9月の『とんねるずのみなさんのおかげでした 30周年記念SP』で
約30年ぶりに登場したキャラクター「保毛尾田保毛男(ほもおだ・ほもお)」。
「性的少数者への差別的な表現」など抗議が殺到し、フジテレビは謝罪文を発表しました。

炎上時のユーザー反応 参照元:https://togetter.com/li/1155884

海外での炎上例

・Dove

国内以外では、10月にボディケア用品などで有名な「Dove」のFacebook動画広告が「人種差別ではないか」と世界的に物議を醸しました。
わずか3秒の動画の内容は、黒人女性が服を脱ぐと白人女性に変身する……というもの。
「TVCMのフルバージョンを観ると全く違った印象になる」との見方もありましたが、該当動画は削除され、公式Facebook、Twitterアカウントで謝罪文が投稿されました。

CNN(アメリカのテレビ局)のコメンテーターによるツイート。フォロワーは11万人と高い影響力を誇る。


いかがでしょうか。こうして振り返ると、これらの炎上事例には「いくつかの傾向」があることに気が付きませんか?
次章でその傾向をご紹介します。

【最新版】炎上「二大危険因子」はこれだ!

①性的な表現を含むもの

サントリー「頂」や宮城県のPRムービーなど、企業イメージからかけ離れた性的な表現を連想させる企画はほぼ間違いなく炎上するといえるでしょう。
「注目してもらうために」あえて過激な手法を取っているのかもしれませんが、ユーザーへのアピールポイントを間違えてしまっています。

②差別を感じさせる表現を含むもの

事例振り返りでご紹介したように、ユーザーから見て女性蔑視(ソフィ、牛乳石鹸)、家族像の偏り(ムーニー、牛乳石鹸)、人種・性的マイノリティへの無理解(Dove、フジテレビ)を感じさせるコンテンツは、炎上する傾向が強いため特に注意が必要です。

2017年の新傾向「じわじわ炎上」

さらに、新傾向として見られるパターンが「じわじわ拡散⇒炎上」
牛乳石鹸は炎上まで約2カ月。ムーニーはなんと約5カ月後に拡散され炎上しました。
公開後すぐには炎上せずとも、数か月後に影響力のあるアカウントやWebメディアなどによって発見される例があるため油断は禁物です。

こんな可能性も視野に入れなければなりません……。

「中の人」は要注意!日常のSNS投稿から炎上した例

また、「二大危険因子」に当てはまるものではなくても注意したいのが、日常のアカウント運用での不適切な発言
新キャンペーンなど、大掛かりな企画だけが炎上の対象ではないことをお忘れなく。

例1.ミスド誤爆

ミスタードーナツ公式Twitterアカウントにて、誤爆と思われる競馬に関しての投稿が炎上。
さらに謝罪ツイートで自社ではなく運営会社のミスであったことが報告され、火に油を注ぐ結果に……。

参考記事 ミスタードーナツのTwitter 投稿の外注が判明しフォロワーから厳しい声

例2.私情を挟み過ぎたシャープ製品

あの「シャープさん(@SHARP_JP)」ではなく、シャープ製品(@SHARP_ProductS)のアカウント。
任天堂新製品への「個人的な」批評ツイートが元でアカウントは休止に追い込まれ、「シャープさん」も謝罪する事態に。

「(引用)だからこそ企業アカウントはどんな時も、だれかの好きや思い入れを否定することは決して許されません。」


ゆるいコミュニケーションが人気のTwitterではありますが、自社アカウントの発信には常に気を配っていきましょう。

炎上リスクを減らすには何が必要?

では、どうすればこれらの「炎上リスク」を回避できるのか。
実は、炎上時のさまざまなユーザーの反応で、既に答えは出ています。


「女性のチェックは入らなかったのか…?」
「どこかで止められなかったの?」


そう。いずれの炎上例も、「第三者的な視点でのチェックが足りていない」ことや「社内体制に不備がある」可能性が非常に高いのです。

気を付けているつもりではいても、自分や所属チームの判断だけでは炎上リスクを客観視できない可能性もあります。
そういった思考の偏りを防ぐために、社内ガイドラインの作成、またダイバーシティ視点をチェックできるチームがあれば危険度はかなり下がるのではないでしょうか。


万一「炎上してしまった」際の対処がある程度ルール化されていることも重要です。
あらかじめ体制が整っていれば、謝罪方法を誤った二次災害が起こる危険性も下がるでしょう。
 

<2018年・炎上リスク回避ポイント>

ダイバーシティ視点を持ったチェック体制を徹底しよう。

そして、さまざまな立場からの声が届きやすい社内環境であることも重要です。

企画前に確認!「炎上危険度」チェックリスト

これまでのおさらいも含めて、炎上を防ぐために確認しておきたいポイントを4つにまとめました。
企画・公開前に以下のポイントをチェックして、自社ブランドの炎上リスクを減らしましょう。
 

☆チェック!そのコンテンツは……

性的な表現を連想させないか?

性的な「におわせ」を含むコンテンツは、特に女性に不快な印象を与えやすい。炎上のシェアだけ稼げれば良い、わけはない。


差別問題の観点から物議を醸す要素はないか?

女性蔑視、人種差別など連想させる企画は特に炎上傾向。そのコンテンツに「ダイバーシティ視点」は含まれているか今一度確認を。


家族や夫婦の描き方に偏りがないか?

多様な現代社会において「正しい家族のあり方」を示すのは不可能に近いと思いますが、見る立場によって感じ方が違うことを念頭に置くのが大切。


これらのポイントをチェック・管理する第三者はいるか?

公開前はもちろん、万一「炎上」してしまったときにも現場の判断で対処法を誤ると余計に炎上する可能性が。
適切な判断・対処のできるチームを設置し、あらかじめフローの徹底や認識のすり合わせを行うことが望ましい。
「じわじわ炎上」も踏まえた長期的な計画を。

いかがでしたか?
「炎上」に過敏になりすぎるのも避けたいものですが、ますますダイバーシティ化が進むであろう今後を踏まえたコンテンツづくりが重要といえそうですね。

最後に

年明けから『ガキ使』SPでの「黒塗りメイク」が海外でも物議を醸すなど、今や炎上のニュースは瞬く間に世界中に広がる可能性があります。
リスクを完全に防ぐことは難しくとも、ここでご紹介したように事前に注意できるポイントは必ずあるはず。
2018年も、自社の魅力が誤解されずに伝わるコンテンツを考えていきたいですね!