今回は虎ノ門ヒルズフォーラムのメインホールとホールAを使っての開催。約500名のお客様がセッションごとにロビーや通路を行き交い、活気あふれる空間となりました。開会宣言から各社の取り組みまで全9セッションの中から、弊社IMJ役員のパネルディスカッションの模様をお伝えします。

パネルディスカッション:「デジタルトランスフォーメーションを実現できる企業、できない企業の境界線~経営・組織・人材の視点で成功のポイントを考える~」

パネリスト

黒川順一郎 アクセンチュア株式会社、デジタルコンサルティング本部、マネジング・ディレクター、アクセンチュア・インタラクティブ統括 兼 株式会社アイ・エム・ジェイ上席執行役員(写真左上)

槇隆広 アクセンチュア株式会社、デジタルコンサルティング本部、アクセンチュア・インタラクティブ、マネジング・ディレクター(写真右上)

加藤圭介 株式会社アイ・エム・ジェイ 上席執行役員COO(写真左下)

久田祐通 株式会社アイ・エム・ジェイ 上席執行役員(写真右下)

モデレーター:谷口優 株式会社宣伝会議

 

モデレーターに宣伝会議の谷口優氏をお迎えし、デジタル/マーケティング/コンサルティングの三点に関して中立な立場からIMJの中枢を担う4人の役員とアクセンチュア・インタラクティブの個々の考えを引き出していただきました。

デジタルトランスフォーメーションとは何を表しているのか?

黒川順一郎

まず最初に、4名にとっての「デジタルトランスフォーメーションとは何を表しているのか?」を聞いていくことになりました。

IMJとアクセンチュア・インタラクティブの考える「デジタルトランスフォーメーション」とは「デジタル社会における顧客・エンドユーザー・顧客体験が大きく変革することである」と定義しているものの、大きな変革を迎えたその先の社会に見据えるものや、今後企業が注力するべきだと考えていることに関しては4者4様の意見があるようです。

黒川氏はデジタルトランスフォーメーションに関してこのように述べ、話を始めます。

 

黒川:「デジタルトランスフォーメーションは、大きく3つあります。企業や工場がデジタル化していくということ、カスタマー自体がデジタル化していくということ、そして顧客体験がデジタル化していくということです」。

顧客体験のデジタル化に注力しているIMJにとって重要な事は、企業の組織自体がデジタル社会に合わせて変化していくことだとまとめる黒川氏。

弊社社長の竹内も開会宣言の際に「従来のデジタル戦略の立案、実行だけではお客様の売上を上げる事が十分にできない時代が来てしまう」と語っていました。つまり、デジタル社会においてまずはIMJ自身が提供できるサービス領域の幅を広げ、さらには組織変革にまで手を伸ばさないとお客様のニーズを叶えることができなくなっていくと感じている事を、うかがい知ることができます。

槇隆広

「過去に『インターネット』という存在が出てきた時代と同じように、クラウドやフィンテックのようなサービスが大きな波となってデジタル社会を押し広げている」と続ける槙氏は、デジタル社会を次のように予想します。

「今のデジタル社会は、顧客の情報を得て上質な顧客体験を届けられるようになりました。それにともなって、企業側が提供するデジタルコミュニケーションに対して、エンドユーザーの求めるレベルが高くなってきていると感じています」
デジタルトランスフォーメーションは、企業のあり方だけでなくエンドユーザーの欲求にまで影響をあたえる、まさに「時代の波」と言えるでしょう。

加藤圭介

加藤氏は、ふたりの見据えるデジタルトランスフォーメーションのあり方に賛成しつつ「IMJの20年間の中でデジタルの役割はどんどん変化しているけれども、近年は広報・プロモーション領域にとどまらずその先のビジネス・サービスそのものにまで広がっていく存在になると考えています」と意見を述べます。

「つまり、デジタルの領域はコミュニケーションからサービスに変容していっているのでしょう」。
モデレーターの谷口氏が今後のデジタルトランスフォーメーションの方向をまとめます。

久田祐通

久田:「マーケティングと購買に距離があると思っていたけれども、購買の接点としてスマートフォンのようなデジタルデバイスが人間の行動の可視化を行うようになりました。マーケティングとセールスがどんどん融合していくことで、我々の生活自体がデジタルトランスフォーメーションしていくと思っています」。

こう話す久田氏の言葉で、デジタルトランスフォーメーションという時代の流れが企業にとってどんな影響をあたえるのか、またさらにどのようにエンドユーザーの生活を変容させていくのか、4者が見据えるデジタル社会の今後についての考えを知ることができます。

「END to END」とは何を表しているのか?

そして次の話の内容は、「END to END」とは何を表しているのか?というものに変わっていきます。

黒川:「『END to END』はスタンスでしか無い」。
「END to END」という言葉自体には重要性はなく、戦略の立案から、サービス提供まで行い、それを世の中にリリースし、運用して、出たデータを集計することで効果測定することがお客様の収益性を上げる最上の手段だと考えただけだとまとめる黒川氏。
何よりお客様の売上を第一に考えているからこそ、PDCAサイクルの全てに関わり高速で回転させていくことを重要視しています。

加藤氏はこの話の中で、過去のIMJでのプロジェクトの思い出を例に用いて話し始めます。
加藤:「以前のプロジェクトで経験したことがあるんですけど、コンサルティング会社の作る戦略立案はきれいなのだけれども、実行に落とし込みづらい。エージェンシーの作るサービスは、実現力はあるものの全体感が足りていないというお客様の声を聞きます」。

その上で、全体感を見据えた戦略立案から実現性の高い個別の施策まで考えられる「END to END」という考え方が必要になってくると考えを述べる加藤氏。近年、お客様が思い描くカスタマージャーニーの中で、顧客チャネルの種類が雑多になってしまうという課題にたいしても「END to END」というサービスの提供方法によって一貫性が生まれると考えていると話します。

IMJとアクセンチュア・インタラクティブのカルチャーの違い

ここで話はIMJとアクセンチュア・インタラクティブのカルチャーの違い、異なる両社が融合していく上で仲良くやっていますか?という話題に変化していきます。

槙:「IMJのプレゼンを見てエージェンシーのクリエイティブを感じた。逆に外資系企業であることの価値を持ち込めることにアクセンチュア・インタラクティブの良さを感じてほしいです」。

IMJがプレゼンテーションに用いるアイスブレイクの方法、動画の使い方を見て、逆にアクセンチュアのコンサルティングらしいプレゼンテーションが「固い」と感じてしまったと語る槙氏、今後アクセンチュア・インタラクティブが学ぶ必要性があると話しました。

また、外資系企業であるアクセンチュア・インタラクティブと日本企業であるIMJの企業カルチャーの違いに関して久田氏はこう続けます。

久田:「アクセンチュアの皆様は自分の席を持っていなかったり、役職に関してももっとフラットになっていて目標達成の事を考えてチームを作っている。個人の価値を尊重するグローバルな企業なんだなという印象を受けました」。

専門性を持ったスペシャリストの強さ、個性の上になりたつ個人のバリューを日本の企業より重要視していることに魅力を感じているという久田氏。役職や、役割に縛られること無く自分がどうキャリアを積んでいくのか? 一人ひとりがお客様に対して何を出来るのか? 今後、どう成長するのか? どんな価値を提供するのか?という個人個人の思いの強さをもっとIMJは学んでいかなくてはいけないと感じていると語ります。

新生IMJはどうトランスフォーメーションしていくのか?

そして、最後に「新生IMJはどうトランスフォーメーションしていくのか?」という話題へ。

加藤:「一個一個の施策をやり続けるだけではダメだし、どうやって我々自身のビジネスを伸ばしていくのかを考えなくてはいけないときが来ている」

 

ここ数年でデジタル業界は大きな広がりを見せ、競合企業というものは増えています。「お客様の抱える課題を解決する」ことを仕事にしている広告代理店や、エージェンシー、コンサルティング会社、マーケティング会社などの多くが、このデジタルという新しいマーケット領域に参入していることからも、デジタル社会への関心は高まっています。
しかし、いきなり増えてしまったデジタルを冠する企業の中で、自社の抱える課題を解決するためには、どの会社と取引をすれば良いか悩むことになるでしょう。そして、さらにお客様が抱える課題が難化していっているのも事実です。

今のIMJのままでは解決できる領域が狭まってしまっていると感じていたからこそ、アクセンチュア・インタラクティブと組むことによって、IMJの提供できるリソースを増やしていく事ができるだろうと語ります。

そして、広がりを見せる「デジタル業界」の中での競合企業との関わり合い方を黒川氏は、IMJの目指すべき道とともにこう切り出します。

黒川:「例えば10社が挑む競合コンペって、おかしいと思うんです。デジタルトランスフォーメーションという新しい領域の中で、いかに競合に勝つとかということを考えるのではなく、お客様のパートナーとして“自分たちは何ができるのか”ということを明確にして提供するべきなんじゃないでしょうか」。

新生IMJは「デジタル」という新しいビジネス領域に対応していくとともに、他の企業とは一線を画す唯一無二の存在を目指していきたい。と今後の方向を固める黒川氏。
槙、加藤、久田の各氏も、茫漠としている“デジタル企業”の中で、新生IMJがお客様にとって唯一無二の企業になる可能性を感じていると語るとともに、お客様の良きパートナーとなることで日本経済自体の向上を目指していきたいと続けます。

 

お客様の組織や人材を主に考えるコンサルティング会社アクセンチュア・インタラクティブと、デジタルの力で生活者の体験を豊かにする事を掲げたデジタルエージェンシーのIMJが手を組むことによって起きる化学反応に今後ともご注目ください。