9月に開催されたアップルの開発者向けイベントWWDC2017では、iPhone発売から10周年とだけあって、様々な予想がされ、メディアを賑わせました。特にiPhone Xの発売は大きく話題になりました。

しかし、Appleがおこなったのは新しいデバイスの発表だけではありません。iOS11では、App StoreのUI変更やアプリ自動削除機能など、iOSアプリを使うマーケティング担当者が知っておくべき、変更が多くありました。

今回はマーケティング担当者なら知っておきたいiOS11で変わった6つのことをご紹介します。

1.App StoreのUIアップデート

App Store がリニューアルされ、UIや 申請項目などの変更がありました。
UI変更では、最下部のメニューバーから「カテゴリー」と「ランキング」がなくなり、「ゲーム」と「Today」が追加されました。

また、アプリの詳細ページも「サブタイトル」と「プロモーションテキスト」が追加され、アプリを紹介する枠が増えました。プロモーションテキストは、新しいアプリバージョンを申請しなくても更新できるので、期間限定のコンテンツをユーザーへ伝えることが可能になります。そして、アプリのレビュー表示は目立つように表示されているので、これまで以上に評価重要になるでしょう。

プレビュー動画にも、iOS10までは掲載が1本までとなっておりましたが、3本まで掲載できるようになります。さらに、検索画面で表示されるスクリーンショットは2枚だけでしたが、新しいUIでは3枚のスクリーンショットが掲載されます

これらのアップデートにより、アプリの魅力を掲載する箇所が増えユーザーへの訴求がしやすくなったといえます。それと同時に、これまで以上により良いコンテンツを提供しないとアプリを評価されなくなり、インストールもされにくくなってくる、と言えるでしょう。

既に対応しているアプリも多くありますが、3枚目も意識したスクリーンショット公開、アプリの魅力を訴求する動画の追加、レビューに対するフォローなどユーザーを意識したストア情報掲載を行う必要があるでしょう。

2.アプリの自動削除

「未使用のAppを取り除く」という設定ができるようになり、オンにした場合、ストレージが少なくなると自動的にアプリが削除される機能が追加されました。

ユーザーにとってはありがたい機能ですが、マーケティング担当者とっては、悩ましい機能です。ユーザーのアプリ利用頻度を高められるよう、プッシュ通知の改善や、休眠ユーザー向けのプロモーションを実施する等、今後はリテンション施策が今より重要になってくると考えられます。

3.広告cookieの制限(ITP)

safariの広告ブロックも発表後に大きな話題を呼びました。Intelligent Tracking Preventionと呼ばれる機能はsafariブラウザにおいて実装された機能です。リターゲティング広告からユーザープライバシーを保護する狙いで、サードバーティーCookieの有効期限を制御するという内容です。Appleによると、以下のように制限されるということです。

  1. サイト訪問後1日間は、Cookieが利用される。
  2. 1日後は、ログイン情報以外のCookie情報は削除される。
  3. 30日後にはCookieが完全削除される。

リターゲティング広告配信などを行う際には、リターゲティング広告が今まで通り配信されない、コンバージョン率が下がるといった影響がでる可能性があります。

4.個人間送金とApple Pay Cash

個人間送金(Person to Person Payment=P2P)」の機能は、今後のiOS11アップデートで追加予定の機能です。この機能が追加されると、メッセージアプリからApple Payを使って個人間送金ができるようになります。
先にアメリカで開始され、日本での利用は少し後になる可能性が高いとみられています。これまでは、NFCの店舗決済、アプリ上での決済、ブラウザ上での決済のみが可能でしたが、「個人間での送金」が可能になるため、例えば、友人との割り勘やお金の貸し借りの際に便利に使うことができます。

5.QRコード標準搭載

こちらの機能は大きなアップデートではないですが、QRコードが標準で搭載されました。これまではアプリでQRコードを読み込むことが大半でしたが、このアップデートによってその煩わしさは解消されます。

Apple Payでの支払いを想定して、QRで金額を表示し、それを読み込んで送金するといった流れがスムーズになる可能性があります。店舗やレストラン、タクシーなどでの支払いシーンでの支払いの流れにも変化がおこるかもしれません。企画の際は、ユーザーが写真を撮るシーンを想定して、QRコードを設置することで、サイトへの誘導もスムーズになるかもしれません

6.ARKit

最後に、ARKitを紹介します。ARKitはiOS11以降のiPhone 6s以降で利用できるARフレームワークです。ARとはスマホ現実映像に別の情報を加えて現実を拡張する技術で主にゲーム分野において利用されています。

これまでARアプリをつくる際は、有料のARライブラリを利用したり、独自開発を行なったりする必要がありましたが、ARkitはiOS11以降に標準で搭載されているため無料で利用できます。既にIKEAがARを活用したアプリを発表し、話題を呼びました。これまでARを使っていたアプリの機能向上にもつながります。例えば、ゲームではARを使ったお絵かきアプリGrafftyなど現実とCGをミックスさせたアプリが出てきています。また、ゲームだけではなく、IKEAの様に実際の製品を体験してもらうといった高いユーザー体験を与えるアプリも今後は出てくることでしょう

 

いかがでしたでしょうか。OSのアップデートはアプリ開発・運用に携わる方にとってだけでなく、デジタルマーケティングを行う上で影響があるといえます。Safariの仕様などは、特に注意が必要になることでしょう。今回はiOS11に焦点を当てましたが、Android OSや過去のOSの仕様も様々あります。正しい仕様を把握して、より良いマーケティングにつなげて頂ければ幸いです。