1.フォトジェニックな写真撮影が目的!フォトジェニックなアート展

「MUSEUM OF ICE CREAM」

2016年夏に初開催されて以降、人気が衰えることのないアメリカのフォトジェニックなアート展
「MUSEUM OF ICE CREAM(ミュージアム・オブ・アイスクリーム)」。アイスクリームが大好きという25歳のクリエイター、マリーエリス・バン(Maryellis・Bunn)を中心としたTEAM MOICという集団が主催しています。
アイスクリームやドーナツをテーマにしたインスタレーション展示の中で、アイスクリームを食べながら自由にインスタ映えする自撮り写真を撮ることができます。

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ミレニアルピンクをふんだんに使ったフォトジェニックな展示は非常に完成度が高く、まさに“インスタ映え”な写真が撮れるイベントとして、大きな話題を呼びました。
初回開催時、広告媒体は使わず有名人や著名インスタグラマーを招待しインスタ投稿してもらうというPR手法で人気に火がつき、3万枚のチケットはわずか5日間で完売となったそう。現在14万件を超えるインスタ投稿(#museumoficecream)がされており、まだまだ人気は衰えていないようです。

表向きはアイスクリームが大好きな25歳の女の子が、子供の頃からの夢をかなえて実現したアートイベントという形になっていますが、マリーエリス・バンは広告代理店に所属しており、このイベント自体が協賛する複数のスポンサー企業のプロモーションだったりするようです。消費者が広告に反応しない時代の新しいマーケティング手法として、すでに日本でも同様のイベントが開催されはじめています。

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インスタグラム投稿数:
#museumoficecream 投稿 約14万件(2018年5月時点)
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「東京アイスクリームランド」

アイスクリームミュージアムの手法をいち早く取り入れ、2017年12月に初開催された「東京アイスクリームランド」。東京フォトジェニックチーム(Tokyo Photogenic Team )というクリエイター集団がプロデュースし、スターズ株式会社というPRイベント会社が主催しているようです。

イベントの公式アンバサダーとして人気の現役女子高生シンガー吉田凛音さんを迎えたり、イベント公式ソングのミュージックビデオをアーティストやインフルエンサーを会場に招いて撮影するというインフルエンサーを活用したPR施策にも力が入っているようです。

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インスタグラム投稿数:
#東京アイスクリームランド 投稿 約1,000件(2018年5月時点)
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「VINYL MUSEUM (ビニール ミュージアム)」

豊富な色彩とビニールの素材感が特徴的な共感型フォトジェニックアート展『VINYL MUSEUM(ビニールミュージアム)』。2017年12月の2週間、表参道ヒルズで開催されました。ビニールミュージアムのHPでは露出されていませんが、インフルエンサーマーケティングを手掛けるTHECOO株式会社が企画し主催しているようです。

こちらもマスメディアは使わずSNSを中心とした広報活動をしており、開催初日には有名インスタグラマーなどのインフルエンサー50名を招待。インフルエンサーからじわじわと拡散した情報は約1,000万人にリーチしました。

THECOOの発表による集客数値のレポートや来場者アンケートの内容も公開されています。来場者に対するアンケートでも、このイベントを知ったきっかけの第一位に「インスタグラムを見て」が上げられていますね。
今の女性たちにとってインスタマーケティングの影響力は絶大ですね。

メリークリスマス🐰🌸🌼🌸🌼🎅🎁 #vinylmuseum #ビニールミュージアム

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インスタグラム投稿数:
#vinylmuseum 投稿 約5,000件(2018年5月時点)
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これらのイベントでは、ただインスタ映えな写真を撮ってイベント情報を拡散してもらうだけでなく、会場内で協賛企業の食べ物を配ったり、展示の中にさりげなく製品を置いてPRする企業ブースが設けられています。実際にイベント開催時期に店舗での製品の売り上げが上がったという結果もいくつか報告されており、イベントやSNSの影響力の高さがうかがえます。

2.感動瞬間をフォトジェニックな写真でシェア!デジタルアートイベント

デジタルインスタレーションのアート展でもインスタ拡散を意識し、全面撮影OKな場合が増えてきています。実際の投稿写真を見る限りは、フォトジェニックな自撮り写真というより、ダンサーのパフォーマンスやインスタレーションの美しい瞬間を捉えた写真が多いようです。

「FLOWERS by NAKED」

2016年1月東京にて初開催され、「日本一早いお花見」で話題となった花の体感型アート展「FLOWERS by NAKED」。イベントやショーの企画などを手掛けるNAKEDが主催しており、これまでに開催された日本橋、六本木、沖縄のイベント来場者数は、のべ25万人を超えているそうです。
写真を撮ることだけではなくその場での体験に重点を置いているイベントとのことで、プロジェクションマッピング、本物の花やダンサーたちによる舞い、来場者が自分だけの花を咲かせる仕掛けなど、デジタルとリアルの融合によって来場者に強い感動体験を与えています。
2018年開催のイベントでは、会場内でお酒を飲むこともできるようになっており、より一層大人が楽しむことができる空間へと進化しているようです。

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インスタグラム投稿数:
#flowersbynaked 投稿 約5万件(2018年5月時点)
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「アートアクアリウム」

金魚の妖艶な美しさと、光の演出が特徴的な「アートアクアリウム」。
2007年からアクアリウムクリエイターズオフィスが日本各地の商業施設と協力しながら展示を行っており、今までの累計入場者数は810万人を突破しているそうです。

ほとんどのインスタ投稿写真がメイン展示の巨大金魚鉢であることから、
空間全体の体験がメインのイベントではあっても圧倒的な展示物一つに力を入れることでSNS拡散にも成功しているようです。
こちらも現在開催中の「アートアクアリウム展 2018 ~博多・金魚の祭~ &ナイトアクアリウム」では、夜になると会場内のラウンジでお酒を飲みながらアート鑑賞することができます。

こちらも投稿されている写真は、展示の写真が多いですね。暗い背景に明るく浮かび上がる金魚がフォトジェニックでたくさんの写真が投稿されています。

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インスタグラム投稿数:
#アートアクアリウム 投稿 約20万件(2018年5月時点)
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3.自分もアートの一部に!美術展でフォトジェニックな自撮り撮影

これまで美術館では全面撮影禁止が当たり前でしたが、最近は美術館でも「鑑賞者が作品に入り込む空間を作ること」が注目され、集客として活用されています。

「レアンドロ・エルリッヒ展:見ることのリアル」

自分がその作品の中に入って楽しむことができるトリックアート的な展示が特徴的な「レアンドロ・エルリッヒ展:見ることのリアル」。この写真、インスタグラムユーザーならば見なかった人はいないのではないでしょうか。金沢21世紀美術館に常設されている『スイミング・プール』で有名な現代美術家、レアンドロ・エルリッヒによる作品展です。

多くの人々が同じような写真を投稿しており、実際の展示会場では、写真を撮ることに必死なあまり「そんな体勢で撮って大丈夫?」というような面白い光景も見られました。アート作品を見て体験してもらうことがメインではありますが、結果的に、写真を撮ることを目的に来る人たちを生み出したようです。

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インスタグラム投稿数:
#レアンドロエルリッヒ展 投稿 約3万件(2018年5月時点)
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他にも、東京都美術館の「ブリューゲル展」や国立新美術館の「ミュシャ展」など、現代アートに限らず、一般的な美術展でも、撮影OKにしたりフォトスポットを設ける展覧会が増えています。
「#emptyMoriArtMuseum」という名のプロジェクトでは、閉館後の館内をインスタグラマーに開放し、展示を自由に撮影・拡散用ハッシュタグを付けてインスタ投稿してもらうというイベントを開催しています。
これらの流れは加速していきそうですが、単に作品を撮ってもらうだけではインスタ拡散につながっていかないため、拡散を狙うためのもう一工夫が必要そうですね。

これから開催のフォトジェニックなイベント!

最後に、記事内でも少し紹介した2018年夏に開催されるイベントをまとめました。ぜひ事前にチェックして、イベントに足を運んでみてください!

「MORI Building DIGITAL ART MUSEUM: teamLab Borderles」

オープン日時:2018年6月21日(木)
お台場にオープンするチームラボと森ビルによる巨大なデジタルアートミュージアム。常設展示としてはチームラボ初!
詳しくはこちら>

「#カンパイ展」

開催期間:2018年6月25日(月)〜7月25日(水)
キリン株式会社が手がける、飲むだけでなく撮って、さわって、遊べる体感型イベント!
詳しくはこちら>

「VINYL MUSEUM 2018 SUMMER」

開催期間:2018年7月21日(土)~8月5日(日) 
2017年12月に好評を博したイベントが規模を2倍に拡大し、この夏再開催!
詳しくはこちら >

まとめ

紹介してきたように、最近話題のフォトジェニックなアート展は、大きく2つに分類されます。

・フォトジェニックな写真を撮るためのイベント(目的は企業プロモーション)
・展覧会の宣伝として作品の撮影・投稿を促しているイベント(目的は集客UP)

ユーザーにとっては、同じようにフォトジェニックな写真が撮れるスポットとして注目されていても、主催する側の思惑は違うところにあるんですね。

大々的な広告は敬遠されリーチすることが難しい中、このような形でのアート×企業プロモーションが今後ますます増えていくと予想されます。
最近、映画の世界に入り込んだような写真を撮ることができるセットを街頭に用意し、ハッシュタグをつけてインスタ投稿を促すといったプロモ-ションをよく見かけますが、あまり盛り上がっている様子は見られません。今回取り上げ話題となったアート展との違いはどこにあるのでしょうか?

インスタ投稿されるための重要ポイントは、展示自体の完成度が高くアートレベルに達していること、人目を気にせず照れることなく撮影に没頭できる工夫がされていることではないでしょうか。
もしユーザーが宣伝とわかっていても、思わず撮影して投稿してしまう魅力があると言えるでしょう。

そこは絶対に妥協しない!」ということが大事なのでしょうね。
今や、少しでも安っぽさが目に付けばシェアされない……。厳しい世界ではありますが、これからも頑張ってシェアされる世界を作っていきましょう。