各社から続々とチャットBotサービスに関する発表

4月に入って、立て続けにLINEとFacebookが各プラットフォームと連携したBotサービスのオープン化に関する発表を実施しました。

LINEのBOT開発トライアルアカウントを1万人限定で無償提供を発表

-Facebook MessengerのBot開発ツール無償提供を発表

仕様に関するまとめや「作ってみた」等の記事が続々と上がっている状況ですが、「え、そもそもどういうこと?」となっている方々もいらっしゃると思いますので、まずは、そもそもチャットBotとはなんなのか、どんな背景があるのか、について確認していきましょう。

そもそもBotとは?

“Botとは、人間に代わって作業を行うコンピュータープログラムの総称。(略)単にBOTと言った場合、インターネットにおける何らかのタスクを自動で繰り返し続けるプログラムを指す。”(引用元:ニコニコ大百科)

Twitterでは以前から、プログラムで自動投稿するBotアカウントが多く存在しますが、2010年頃話題になったTwitterBotを活用して買うべきものをレコメンドしてくれる「コレカモネット」等が企業活用のわかりやすい例だと思います。

また、LINEではマイクロソフトが提供している「りんな」アカウントも有名ですし、LINEビジネスコネクトと連携したクロネコヤマトの配達依頼やドミノピザの注文の事例もBot活用の1例です。※詳細はこちらの記事を参照

 

 

要は、チャットBotを活用すると、プログラムを使って生活者と会話ができて、人的リソース無しに簡易的な1 to 1のコミュニケーションが可能になります。

チャットBotトレンドの背景にある大きな2つの流れ

なぜ、今このようなチャットアプリでのBotブームの流れが来ているのか、その背景には大きな2つの流れがあります。

 

1つ目は、人工知能(AI)化の流れです。

昨今、「人工知能が囲碁で勝った!」「どの職業がロボット化されるか?」等、世間をにぎわすニュースが飛び交っているので、この流れには実感があるのではないでしょうか? 企業のマーケティング活動ももちろんこの大きなAI化の流れの中にあるのは当然です。

 

2つ目は、“ダークソーシャル”への注目です。

ここ数年、SNS上での発信や共有ではなく、主にメッセンジャーやメールといった、経路が見えない、けれど人のつながりによって共有される情報に注目が集まっています。このようなユーザー行動は、解析時にサイトへの流入元でみると<参照元不明>となることから、“ダークソーシャル”という言葉が使われ、そのボリュームの多さから注目されてきていました。このことは、多くの友人知人とのやりとりや情報共有がLINEにシフトした日本人には理解しやすいと思います。

この流れの中で、Facebook社もメッセンジャーアプリへの注力を示し、昨年からMessenger Platformをビジネス向けに開放する動きをとっていた中での今回の発表です。

 

どんなことができるの?事例紹介

【FacebookメッセンジャーBotの米国での活用事例】

 

事例1:CNNニュースBot

ユーザーの閲覧データによって、おすすめの記事を教えてくれたり、気になった記事のサマリを教えてくれたりする、ニュースコンシェルジュのようなBot。

動画内にあるように会話内では、テキストのみのやり取りではなくボタン選択のインターフェースや画像カルーセルを表示することもできる。

 

事例2:フラワーギフト(1-800Flowers.com) ECのBot

Botと会話しながら、購入する花束を選んで、Facebook内の友達に贈ることができる。

既存のプラットフォームと連携できるので、ソーシャルグラフを活用したBotも可能。

 

事例3:KLMのフライト予約Bot

これまでオンライン上の入力フォームや電話予約センターでおこなっていたフライト予約ができるBot。

入力フォームではどうしても無駄な情報や煩わしいステップも多く、離脱しやすい場面も、コールセンターの電話だと離脱がおきにくいことを考えると、ユーザー価値のイメージがつきやすい。ただ、ビジネスに直結するコマースサービスの場合はすべてBot化せずに、ケースによって人に交代することで、質を担保するようなケースも考えられる。

事例にみるチャットBot化の2つのユーザーメリット

事例から、チャットBotによって、ニーズや状況にあわせて1 to 1で柔軟な対応がきることで生まれるユーザーメリットやその先にあるビジネスメリットへのイメージがついたのではないかと思います。

また、FacebookやLINEといった既存のプラットフォームと連携されることで、各企業のアプリを個別にダウンロードしなくて済む、個別に会員登録する手間がなくなるという点も大きなユーザーメリットです。

どう活躍するの?ユーザー行動は検索起点からチャット起点へ

事例でみたように、各ユーザーに合わせて、情報やコンテンツを提供すべき場面では、コンシェルジュとしてのチャットBotの活躍が期待できます。

実は、これはほぼすべてのビジネスで共通して含まれる領域ではないかと思います。オンライン上での入力フォームやサイト内での検索、お問い合せ、さらに、オフラインでのコールセンターや対面営業はチャットBot活用で大幅にUXに変化が起きると言えます。

 

 

「ギフトに何を買おうか?」「どの保険がよさそうか?」「どの旅行ツアーにしようか?」「どの製品にしようか?」「今日はどこのお店にいこうか?」……。

ユーザーの消費活動の起点が、検索してサイトにたどり着くという行動ではなく、チャットBotに話しかけるという行為になってしまう可能性があるのです。これまでコールセンターを持つほどの本格的な顧客サポートは必要なかったビジネスにも、よりライトな1 to 1サポートという領域が生まれてくるでしょう。

一方、企業側では、Botを通じて、「どんなときに、どんな状況で、どんな会話をするとビジネス価値につながるのか」というデータが蓄積し、よりサポートの精度が高まっていく。現在急速に進んでいるマーケティング・オートメーションに組み込まれ、CRM基盤となる顧客DBと連携したデータ解析までできるようになれば、チャットBotはひとつの重要なCRM窓口となっていくのです。

まとめ

チャットBotブームの背景や今後のビジネス活用のイメージはつかめましたでしょうか?

まだまだ精度の問題などは残されているため、すぐに理想のユーザーエクスペリエンスやマーケティング価値の実現までは時間がかかるとは思いますが、5年ほど前に多くの企業がSNSアカウント開設の判断を迫られたときのように、自社のビジネス活動に置き換えたときに、どんなチャットBot活用が考えられるか本格的に検討する日が近い将来やってくると思います。

関連記事