インスタ世代が好んで使う、ハッシュタグコミュニケーション

ハッシュタグは、主にtwitterやInstagramで使われる記号コミュニケーション。投稿に関連するキーワードを #記号とともに「# ●●」 といれておくと、同じハッシュタグをつけている投稿が検索画面などで一覧できるようになるというもの。共通テーマでソートできるため、同じ経験や興味を持つ人のさまざまな発言が閲覧しやすくなるというのが本来の主旨だが、最近では本文すらなく、ハッシュタグのみでその時の気分や思ったことを伝えています。

例えば……

※実際の投稿に近いイメージを作成しています。

※実際の投稿に近いイメージを作成しています。

言い訳ハッシュタグとソーシャルセルフブランディング

そんなハッシュタグを観察していて、ひとつ面白い現象に気がつきました。

彼らはいわゆる「インスタジェニック」なソーシャル映えするイベントやモノをシェアして、自分をよりよく演出する一方で、すこしだけ自分をさげるような、等身大まで落とすようなハッシュタグを織り交ぜて発言するのです。

上の例でいうと、ハロウィンで楽しく仮装する写真をUPしつつも、“#恥ずかしかった” “#目重かった”といったワードを入れたり、花火デートを自慢しつつも、“#ってうるさくてすいませぇん”と言ったりしています。

「とても楽しんでいるけれど、でも別に特別なことじゃないよ、みんなと一緒だよ、自慢ばかりじゃないよ」と言い訳を加えているように見えてきます。

言い訳ハッシュタグの裏にあるインサイト

この“言い訳ハッシュタグ”は、自分をSNSでいかによく見せるかに注力するといわれている彼らとしては意外な行動にも見えますが、実は彼らの時代背景を考えると自然に思えてきます。

この世代は、スクールカースト、クラス掲示板いじめと呼ばれるような現象が起こる中で学生生活を送ってきたのです。つまり、「ハブられたくない、目立ちすぎたくない、嫌なやつだと思われたくない」といったインサイトがこの言い訳ハッシュタグに現れているのではないでしょうか?

ソーシャルメディアの普及と同時進行で浸透した「リア充」というワードもこのインサイトと関係しているかもしれません。このワードの出現は、「リア充」と「非リア充」いう図式をうみ、SNSで“リア充アピール”しすぎると誰かにネガティブにとられるかも?という空気感を作り出したのです。

作られすぎると、嘘っぽい?

実際に、個別にインタビューしてみると、「友だちのでき過ぎた投稿だと、『え?作ってるんじゃない?』って疑っちゃいます。」という発言もみられました。

現在インスタグラム上で、人気を誇っている有名人のアカウントをみてみても、キレイ・カワイイだけで作られた世界ではなく、どこか等身大の少し愛嬌のある存在として、水原希子さんやローラさんが絶大な支持を得ています。

手の届かない憧れの世界に生きるモデルではなく、どこか親近感をもてるような素の姿が好感を得ているのでしょう。

インスタ世代とのコミュニケーションのポイント

単純に「自分をよりよく自己演出したい!」だけではなく、それが友人にどう見られるかまで考えて絶妙なバランスを保ちながらソーシャルブランディングしているこの世代。

今後、マーケティングターゲットの中心になってくるであろう彼らに、いかにソーシャル上で製品体験やコンテンツを広めてもらうかが企業のデジタルマーケティングの重要課題になってくると思われます。
コミュニケーション設計の際は、“言い訳ハッシュタグ”に象徴されるような“友人に見られたときにどう思われるか”という軸に十分留意するのがポイントになるかもしれません。

また、企業がSNSやWEBを通じて彼らに発信する際も、企業側が作りこんだキレイな世界感に憧れをもってもらうのではなく、“言い訳ハッシュタグ”のようなどこかつっこみどころのある、等身大のキャラクターとして接していくことがこれまで以上に重要になるかもしれません。

<行動観察のすすめ>

今回、ソーシャル上でターゲットの行動を分析するという簡易的ソーシャルエスノグラフィー調査を実施・分析している過程で“言い訳ハッシュタグ”現象を発見しました。
IMJではアンケート調査のみでは見えてこないターゲットのインサイトを深堀するために、非構造化インタビューやエスノグラフィー調査もとりいれたUXデザイン、プランニングを実行しています。
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