Blog - Shelly Palmerの記事をIMJのオウンドメディアであるBACKYARDで翻訳・配信していきます。ぜひよろしくお願いします。ちなみに文中の視点や意見はShelly Palmer氏や、それぞれの筆者のものであり、IMJのものでないことを明記させていただきます。

江端によるブログ背景の解説

米国では、営業電話を掛けてこないでほしい事を登録することができます。そのために“Do Not Call Registry” https://www.donotcall.gov/というものが連邦取引委員会(以下FTC)に存在します。このレジストリ(=登記所)は1991年に通過した米国の法律Telephone Consumer Protection Act (TCPA)に基づき2003年3月11日に制定されたDo-Not-Call Implementation Act of 2003に基づいて、2003年7月27日に開始されました。
同様の法律制度はwikipediaによると、オーストラリア、カナダ、ニュージーランド、英国、インド、シンガポールにも存在します。

本ブログでは最近ITとマーケティング技術によって増えている“ロボットによる営業電話”の増加(コンピューターの電子会話技術)を取り上げて警鐘を鳴らしています。

ロボコール:“営業電話しないで登記所”が大流行

私の電話番号は、米FTCの“営業電話しないで登記所”に登録されているのにも関わらず、最近携帯にロボコール(コンピューターによる自動通話)を受けるようになってきた。悪い日には一日2~3件のロボコールがかかってきて、大体一日に一通は不要なロボテキスト(SNS メッセージ)を受けるようになったのである。
FTCによると“電話に出て生の人間ではなく録音されたメッセージなどが流れたらロボコールである”とのことである。

米国ではロボットによる自動通話、自動SNSテキスト、オペレーターによる自動ダイヤルが最近急増しているようで、連邦通信委員会(FCC)のトム・ウィーラー会長は最近のブログにこう書いている:

“消費者は不要な営業電話や営業SNSテキストに困惑している。しかしTelephone Consumer Protection Act (TCPA)制定のおかげで消費者はどの電話を受け、どの電話を受けないかを選択することができる。”

素晴らしい!ただしこれから私が説明する理由により、実際には消費者はどの電話を受け、どの電話を受けないかを実質的に選択できないのである。TCPAの意図は素晴らしい、そして法を順守する企業は守るだろうが、それ以外の企業に対しては無力であると思われる。このロボコールによる法律回避は、法を順守しないブラック企業を止めることはできないのである。さらに法律にはグレーゾーンも多く存在するのである。

例外的に許されるロボコール

あなたの電話番号が“National Do Not Call Registry (NDNCR:営業電話しないで登記所)”に登録してあっても、いくつかの例外が存在するので、ロボコールを受ける可能性があるのである。

例外の中には“純粋な情報提供”というものが存在する。例えば航空会社が予約しているフライトの情報を更新してくれたり、調剤薬局から薬の調合が終わった事を連絡してくれたり、学校の休校の連絡、取引先からの貨物到着予定時間の連絡や修理の技師が向かっている場合など、実際に来ないと困る場合が含まれる。

しかし例外の中でも悪用される可能性の高いものも存在するのである。例えば慈善団体がチャリティーのための寄付をお願いする行為は許されているのである。これはグレーゾーンではないだろうか?私は自分が選んだチャリティーに寄付することはむしろ賛成派だが、ロボコールによる寄付をお願いをする組織には本当にチャリティーの精神があるのかという疑念が生じるのを禁じ得ないのである。そして更にグレーなのが“慈善団体”の定義である。

詐欺師

ロボコールの本当の闇は詐欺師にあるだろう。このような犯罪者はそもそも法を守らないので、止めるすべがないのである。最近の通信技術を駆使すればロボコールやロボテキスト、自動通話は迷惑防止策を回避することができる。どんな技術的なセキュリティでも同じだが、イタチごっこになるのである。良い人と悪い人は、常にどちらかがリードしては追い抜いているのだ。

利用されている技術

ロボコールは既に存在する市販ソフトで簡単に実施できる。さらにより高度な技術を駆使し、Interactive Voice Response (IVR)という仕組みを使えば、ボイスメール地獄を引き起こすのと同様な技術も存在するのである。

ロボテキストはSNSテキストスパムを大量の電話番号に配信する仕組みである。詐欺師は160文字までのメッセージを、例えば917-XXX-0000から917-XXX-9999まで送ることが可能で、XXXがベライゾンであれば917-XXX-0000@vtext.com経由で携帯端末に送られるのである。詐欺師は公開情報であるXXXがどの通信キャリアなのかを見れば簡単に生成できるのである。

自動ダイヤルを駆使することは基本的に違法であるが、詐欺師はコールセンターに必要な人数が少なくて済むのでこれを好んで使うのである。事前に収録されたメッセージは電話の番号をプッシュすることで反応を促し、押したとたんに本物のオペレータ(詐欺師)に繋がれるのでとても効率的である。

ではどうすればいいのか?

FTCによるとロボコールの一番有効な防御策はNDNCR(営業電話しないで登記所)に自分の電話番号を登録することであるとしているが、それでは詐欺師の電話を止めることはできない。

ロボコールに対する一番の防御策は返信したり相手にしないことなのである。もし、知らない番号から電話がかかってきたら出なければいいのだ。ロボコールをする詐欺師の中には、費用を気にして、何回か電話しても出ない番号は削除する可能性がある。しかし、中にはあきらめずにかけてくる業者もいるのでそれは報告すべきであろう。

もし、間違って取ってしまったら直ちに電話を切ることである。メッセージが流れるまで待ってはいけない。そしてリストから外すと言われて電話のボタンも押してはいけないのである。ボタンを押すことにより、実在する有効な番号と判明するからである。とにかくすぐに電話を切らないといけないのである、それしかできないのだから。

もし、大量のロボコールがかかってくるようであれば、FTCにオンラインと電話で、報告やクレームを入れることができる。これは実質的に効果はないのであるが、少なくとも気は晴れるであろう。

 

このコンテンツは、米SLP Productions, Inc. dba/Palmer Advanced Mediaの許諾を受けて株式会社アイ・エム・ジェイが配信しています。Copyright SLP Productions, Inc. dba/Palmer Advanced Media, IMJ Corporation All rights reserved 引用元