Blog - Shelly Palmerの記事をIMJのオウンドメディアであるBACKYARDで翻訳・配信していきます。ぜひよろしくお願いします。ちなみに文中の視点や意見はShelly Palmer氏や、それぞれの筆者のものであり、IMJのものでないことを明記させていただきます。

 

 

訳者記

米国ではサイトに過剰な広告を配置し、実際は表示されていないのに、広告が閲覧されたとして広告料を詐取される被害が多く出ている。

実はインターネットのアクセスは「パソコンやスマートフォン経由」で行われるので、そのアクセスは100パーセント「機械による」アクセスなのだが、本記事はそのことを指しているのではない。

実際、どのような仕組みなの?

インターネットでは“ブラウザー”というソフトウェアが、サイト情報を持っている“サーバー”に閲覧のリクエストを送り、“サーバー”はその要求に応えて情報を表示する。

それが行われるときに、別のソフトがリクエスト数を数えるログを記録するために働き、それを人間が分析するのである。その数字は“ユニーク訪問者”とまとめられることもあり、“インプレッション数”等といわれることもあるが結局はブラウザーの“リクエスト数”とサーバーの“応答数”である。

なぜ、オンラインのトラフィックが100パーセント「機械による」かというと、ブラウザーとサーバーの更新は電子的に行われていて、コンピュータやスマートフォンがインターネットのようなネットワークに繋がっているときだけ行われるからである。このプロセスには人間の目や指、そして人の脳といったものは一切関与していなく、今後も関与することはないのである。

そして重要なのは、計測のプロセスに人間がかかわっていないので、“ボット”が人間のふりをすることがたやすいという事である。

ボット

“ボット”とは自動化された処理を行うアプリケーションである。悲しい事に、米国ではネットのアクセスの半分以上は“ボット”によるものである。これはNon-Human-Traffic (NHT)と訳され、その存在を疑う人はいない。米国広告協会は、全世界で広告主が63億ドルを失うのではないかと推測している。

ボットには善意のモノと悪意のあるモノがあるが、多くの場合両方のケースが考えられる。例えば、eコマースサイトの表示価格を拾ってくる善意のボットは消費者の役には立っているものの、eコマースサイトにとっては良くないアクセスである。

このようなボットや検索エンジンの情報収集ボットは、善意のボットの例である。しかし悪意のあるボットも存在し、パスワード攻撃を仕掛けて個人情報を収集したり、スパム的なリンクを検索結果に表示するものも存在している。

そして本当にひどいボットとして、広告表示詐欺用に開発されたボット、ブラウザーの閲覧記録を操作したり、偽の広告表示を行うものもある。これらはスパイウェアと言われるような“犯罪ボット”であり、パスワードやカード情報搾取をはじめとする個人情報を搾取する自動攻撃を実施するのである。

さらに残念なボットも存在する。それは、偽ソーシャルメディアアカウントの偽投稿や偽ツイートをするボット、コンテンツを提供するボットやSEO対策に作られたボットなどである。

いいボットすら悪い結果を生むことがある

もしあなたがキャッシュサーバーや画像、ビデオをサーバーで管理する契約をしている場合に、ボットの活動によって費用が増大している可能性もある。グーグルでさえ(米国では)、有料広告の56パーセントが非表示で見られていないと指摘しているのである。

広告が人に見られる可能性と、ボットによる詐欺

オンラインアクセスの半分以上が人によるアクセスではなく、広告主は高いインプレッション単価(CPM)を支払いながら、実際は想定よりも少ない人にしかリーチしていないという事を考えると、これは単純に詐欺であると言い切ってよいのではないだろうか?

さらに悪いことに…

インプレッションはブラウザーとサーバーの間のリクエストで構成されていると最初に述べたのを覚えているだろうか? Are You Human社の創設者レイド・タトリスは、彼のコラム“広告インプレッションの定義”の中で広告の詐欺に関する問題をいくつも定義している。完全に表示されない、あるいは技術的に問題のある広告が全体の15パーセント、ボットが全体の50~60パーセント、そして意図的な詐欺行為が全体の25パーセントを構成しているのである。

タトリスはこう続ける。

「我々はそもそも広告の15パーセントしか人間に見られていないという前提に立っています。そしてそのうちの54パーセントの広告が見られないという事を考えると、人間に見られる広告はわずか8パーセント程度、もう少し具体的に言うと8パーセントが見られるのではなく、8パーセントが見られる“可能性がある”のです。それは信じられないくらい低い値と言っていいでしょう」。

この事態は、誰か(広告主、政府、公正取引委員会)が止めるまで続くだろう。なぜかというと、アドネットワーク、インプレッション業者、ボット業者、メディアや広告代理店、トレーディングデスク、DMP業者、SSP業者の全員が利益を上げているからである。

終焉を迎えたわけではないが、回避するのはややこしい

優秀なサイトは、結果的に良いボットも悪いボットもたくさん集めることになる。アマゾンは毎日数千のボットに商品と価格の情報を取得され、それは競合サイトやネットショッピングの比較サイトに掲載されるのである。大手のコンテンツサイトも同じで、コンテンツが優良であればあるほどボットが集まってくるのである。

これは、優良なコンテンツサイトから直接広告を買ったからといって、必ずしも広告閲覧者数の増加や可視性を上げる保証にはならないことを意味している。すなわち、ボットによるアクセスに遭遇する可能性が高まるという事である。そして広告媒体はその現実に対応し人間によるアクセスの価格をきちんと把握することが重要になるだろう。

いくつかの解決方法

この問題に対応するために私はAre You a Human社のCEO ベン・トレンダと話した。

ベンは次のように語った。

「ボットを発見してブロックすることは不完全な解決策だ。しかし今まではその方法しか対処方法が業界に示されていなかったのである。その理由は単純で、ボットは人間のフリをすることが上手で、しかも数日で手口を変えてしまう。すなわち、一つ見つけている間に次が現れるわけで、モグラたたきのように終わらない、勝ち目のないゲームになるんだ。

二つ目の問題は、実際の人間を乗っ取ってブラックリスト化ことである、多くのボットネットは実際の人間のコンピュータを乗っ取り利用するのである。乗っ取られた個人はボットとしてブラックリストに載ってサイトにアクセスできないという事態に陥ることになる」。

ベンによるとAre You a Human社ではべつの方法を利用し本物の人間を“ホワイトリスト化”していくのである。これは素晴らしい解決方法に思えた。ベンは「国境警備では、国に入れてもらえない人を見つけるのではなく入った人にパスポートを渡すものだ。その後に色々チェックをするのではないだろうか?」と語った。

多くの識者はボットによるアクセスと人によるアクセスは区別して扱う必要があるとするが、そこにも何らかの問題が潜んでいるかもしれない。

いずれにせよ、ボットによるアクセスは大きな問題であり、そろそろ皆で対応するべき時期になったのではないだろうか?

 

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