Blog - Shelly Palmer の記事をIMJのオウンドメディアであるBACKYARD で翻訳・配信していきます。ぜひよろしくお願いします。ちなみに文中の視点や意見はShelly Palmer氏や、それぞれの筆者のものであり、IMJのものでないことを明記させていただきます。

 

 

現在、世界中の20億人以上のごく普通の人々が、ソーシャルネットワークにつながるビデオカメラを持ち歩いているという。テレビの司会者も言っていることなので、とくに目新しいニュースではないのかもしれない。しかしスマートフォンの台数は30億台に向かって増加中であり、またその技術の進歩も著しいものがある。そしてこのソーシャルにつながった20億台の動画対応のスマートフォンがもたらす影響というものは、みんなの想像する以上に大きいものになるだろう。

ボタンを押せば、世界中に生放送開始

Facebook の『ライブ動画』は、15億人のユーザーに対して、いつでもどこでもFacebookにさえつながっていればビデオ配信ができるプラットフォームである。これはリアルタイムビデオキャプチャーと配信が世界中かつてない規模で可能になったことを意味する。

ライブ動画は録画されたビデオとは違うものだと考えたほうがいいだろう。これはリアルタイム配信なので、フェイク動画を作ったり、編集することはできないのである。視聴者にとっても、自分に向いているセルフィーのライブ配信画像と高画質カメラで中継されている表向きのカメラの画像では全く違う内容になる。携帯のために開発された自撮り用のカメラは、画角も顔との距離も違うので、今までとは違う新たなコミュニケーションの取り方を配信者に提供することになる。

ダイヤモンド・レイノルズのセルフィー

フィランド・キャスティル氏が警官により射殺される様子を撮影した、ダイヤモンド・レイノルズ氏の生配信は、ご存知のようにメデイアで大きな話題になった。
この類いの悲痛なドキュメンタリー動画が、Facebook『ライブ動画』の普及によって、今後も多数登場することになると予想される。

ビデオジャーナリズムの新しい時代

1960年代には、テレビでベトナム戦争の凄惨さがお茶の間にもたらされ、70年代後半には、新しいニュース番組"Nightline"が、イランの米大使館人質事件とともに登場した。1991年には湾岸戦争が勃発し、24時間ケーブルニュースが私たちのテレビの視聴スタイルを変えてきた。もしかするとあなたは、CNNの特派員、バーナード・ショー氏がバクダットのアルラシッドホテルの一室から、テーブルに身を寄せながら連合国軍の空爆を報道していたことを覚えているかもしれない。これはかつてない鮮明さで戦争が生中継されたものであり、私は一生忘れないだろう。

その数年後、元フットボール選手のO・J・シンプソンが白いフォード・ブロンコに乗って逃げ続ける映像が、90分間にわたってヘリコプターから生中継された。この映像は約1億人の人々にライブ映像で視聴され、ビデオ報道の新しい形を作ったが、その映像を見るためには、まだテレビの前にいる必要があった。

新しいビデオ技術は、新しいコミュニケーションをその都度築いてきた。ハンディカムビデオは、1991年のロドニー・キング氏の暴行事件に始まって、2014年のエリック・ガーナー氏の窒息死事件、最近ではフロリダ州オーランドで起こったテロリストによるテロ攻撃など、普通の人々が携帯ビデオやカメラ付きドローン、スマートフォンなどでとらえたビデオ画像が投稿され、世界中の人々のごく日常の画面に表示されているのである。

ほとんどの動画は放送される前に、主要な報道機関によって編集され、内容を解説するグラフィックやコメントが加えられた上で、パッケージとしてメディアから提供されてきた。確かに元画像は一般人が撮ったものなのかもしれないが、24時間ケーブルテレビで繰り返し流される映像は、ライブで撮られている映像ではなく、ある意図をもって編集されたものであった。例示した事件の映像をGoogleやYouTubeで検索してみれば、そのことがわかるであろう。ほとんどのビデオはテレビ番組からのコピー映像である。

しかし動画配信サービスの「ペリスコープ(Periscope)」と「ミーアキャット(Meerkat)」が、リアルタイム動画の民主化に先駆けて登場した。しかしFacebook『ライブ動画』は、はるかに大きなインパクトを持って登場してきたのである。あなたが行うすべての事は、その場ですぐに公開され、面白ければバイラル効果でどんどん広がっていくことになるのである。

最近、暴行事件は増えているのであろうか? それともそれらのビデオが増えているのだろうか? 果たして昔より交通事故や銃撃事件やその他の事件が増えているのだろうか? それともそれらのビデオ報道が増えているだけなのであろうか? 世の中はどんどん危険になっているのだろうか? それとも私たちは危険なことを発見するのが上手くなったということであろうか。

これらのことは始まったばかりであって、フィルタリングされていない動画ジャーナリズムがもたらす、社会的なインパクトを十分に理解しているとはいえない。
しかしそれは近いうちに明らかになってくるであろう。
合衆国最高裁判所判事でもあったルイス・D・ブランダイス氏が、かつて言った有名な言葉がある。
「太陽光が1番有用な除菌剤である」。
すなわちよりオープンで透明性の高いコミュニケーションが、私たちをより良い生活に導いてくれるということだ。
それでは、そう期待することにしようか。

このコンテンツは、米SLP Productions, Inc. dba/Palmer Advanced Mediaの許諾を受けて株式会社アイ・エム・ジェイが配信しています。Copyright SLP Productions, Inc. dba/Palmer Advanced Media, IMJ Corporation All rights reserved 引用元