皆さんこんにちは、株式会社アイ・エム・ジェイ(IMJ) CMOの江端浩人です。IMJは米国で先端IT/Adtech情報を配信しているShelly Palmer氏と独占契約を結び、日本での記事と映像配信を行ないます。ちなみに文中の視点や意見はShelly Palmer氏や、それぞれの筆者のものであり、IMJのものでないことを明記させていただきます。

 

 

最近、TwitterやFacebookで、多くの人々が言い争いをしていることに興味を覚えている。さらに注目すべきことに、ソーシャルメディア上での戦いがきっかけで、多くの人がフォローを外したり、友人関係を解消することで終わりを迎えているのかということだ。(例えば、フォローを外してから)「あなたには二度と私に関わらないでほしいの!」と言ったり、(勝ち誇ったかのような顔文字付きで)「どうだ!」「まいったか!」とつぶやいたり。

フォローを外したり、友人関係を解消することは勝利ではない。それはむしろ負け犬の遠吠えのような弱気な行為であり、その自己催眠的で、独りよがりで、自己満足な行為で自我を満たした瞬間に、あなたは敗北している。つまり実際には、あなたは相手に沈黙させられ、尻尾を巻いて、彼らの世界から逃げ去ったのだ。勝者は相手であって、あなたは屈服させられたのだ。

あなたは本当にTwitterやFacebookの戦争に勝つことができるのか?

大丈夫、できる! ここでは、サイバー拳闘士の喜びのために、あなたを無敵にする戦略をお教えしよう。

戦略

“ソーシャルメディアの戦争(Social Media War、以下、SMW)”を始める前に、何をもって「勝利」とするかを明確にしておく必要がある。

「SMWの勝利」とはこのようなものだ。

あなたの目標が、自分の世界観に同意しないあなたのコミュニティのメンバーに不親切にしたり、フォローを外したりすることであれば、この記事を読む必要はない。あなたの現在の戦略は完璧だ。

しかし、あなたの目標が、あなたと考えを同じくするような人々のコミュニティを作ったり、あなたと異なる考えの人の心を変えるかもしれない会話を始めることであれば、ぜひ読んでほしい。

これからあなたは戦争を行いますが、それにはコストがかかる。したがって、費用対効果分析で“SMW”を行うか否かの戦略的判断を下す必要がある。

殴り合いを始めたら、殴られることも覚悟する必要がある。あなたがナイフの戦いを始めたら相手から切られることを、銃撃戦を開始する場合には、撃たれることを覚悟しなければならないのだ。同じようにあなたが“SMW”を始めるなら、誰かによって逆上させられ、あなたの信念を踏みにじられ、あなたの性格を個人攻撃するような酔っ払いの嘘つきサイコパスとも向き合っていかなくてはならないのである。これらのことが我慢できないのであれば、戦争を開始してはいけない。

勝利が何であるかを定義し、潜在的な関連コストを受け入れる覚悟ができたら、“SMW”に勝つためのポジショニングの実際の戦略的な作業に入ろう。

“Anti-fragile”というポジショニング

かつては金融トレーダーであり、現在は研究者で著名な作家でもあるナシーム・ニコラス・タレブは、その著書『Anti-fragile:無秩序から得られるもの』の中で次のように述べている。

「世の中には、ショックによる恩恵を受けるものもある。例えば、揮発性、無作為、無秩序、ストレスにさらされたときに繁栄し成長することで、冒険、リスク、不確実性を愛するようになる。しかし、この現象の普遍性にもかかわらず、“fragile=脆弱性”と正反対の意味の言葉はない。ここではそれを“Anti-fragile=反脆弱性”と呼ぶことにする。“Anti-fragile”は弾力性や頑強性を超えている。弾力性はショックに抵抗し、元に戻るだけであるが、“Anti-fragile”はショックに抵抗した後で、成長して元のものよりも強くなるのだ」。

筆者注:これは政治的な記事ではない。どうか、ここで政治についてのコメントをしないでほしい。これは“Anti-fragile”戦略を使って、ソーシャルメディアの戦いに勝つ方法についての記事である。コメントするなら、批判の内容をその点だけに限定してほしい。そして、私はタレブの“Anti-fragile”の概念が、著名投資家・ジョージ・ソロスの著書『ソロスの錬金術』からの直接の引用であることを知っている。それは実際には素晴らしい議論の第一歩だ。

純粋なソーシャルメディアの言葉では、「Make America Great Again」は完璧な“Anti-fragile”のつぶやきであり、完全に計算されたレスポンスのパターンである。“SMW”の観点からは、戦略的な傑作である。

 

#1.@antifragile者:「○○の政策はアメリカを再び偉大にするだろう」

#2.@攻撃者:「私は@antifragile者の○○の政策が嫌いだ」

#3.@antifragile擁護者:「@antifragile者はアメリカを再び偉大にしようとしているだけだろ」

#4.@antifragile者:「○○の政策は正しい。そう思わない人は馬鹿だ」

#5.@攻撃者:「@antifragile者は××を読んだことがあるのか? 君は××を理解していないのか?」

#6.@antifragile擁護者:「@antifragile者はアメリカを再び偉大にしようとしているだけだって」

上記を分析してみよう。

#1のTweetにははっきりとした因果関係が提示されている。○○政策は、アメリカを再び偉大なものにする。偉大なアメリカに住みたくない人なんているのか?(いや、いるはずがない)。Twitterの制限である140文字では(特に英語では)「偉大な」という言葉の細かい意味を主張することはできない。同じく140文字では、記された「○○政策」の妥当性を主張することもできない。つまり、あなたが#2のTweetでできることは、#1のTweetに同意しないことだけなのだ。Twitterでは自由に140文字を使うことができるが、それは問題にはならない。#1のTweetは“Anti-fragile”なのだ。

ソーシャルメディア上の表現では、誰が正しいか、間違っているかは問題にはされない。「@antifragile者」は、たとえ何が議論されていようとも勝利するのだ。上の例で、「@antifragile者」に言及されている回数を数えてみよう。次に、他のみんなが言及されている回数を数えよう。「ソーシャル上で多く参照される(バズる)」事があなたの目標であった場合、“Anti-fragile”戦略が実際に機能していることに気づくはずだ。

それでは、メッセージングに関するバイラル効果について考えてみよう。総インプレッション数が一番貴重であって、それに置き換えられるものはない。あなたが目にする回数が増えるほど、それはあなたの記憶に刻み込まれる。「リーチ=到達数(メッセージを見ている人の数)」は、最新の広告とマーケティングの焦点であるが、「フリクエンシー=頻度(メッセージを目にする回数)」はブランドの認知や、ブランド愛、ブランドの状態に大きく寄与している。

ユーザーの目の前に「@antifragile者」のメッセージがより多く表示されること、すなわち頻度は重要だ。これには賛同者も敵対者も等しく関与することになる。そして、友人やフォロワーの各サークルが、ソーシャルメディアの思考リーダーによって導かれているために、この問題に興味がない人の目にも「@antifragile者」のメッセージは入ってくる。すべてのツイートは、誰がそれをつぶやいたとしても、リツイートする人によって編集され、拡散される。

さらに「@antifragile者」の方に有利な点は、この問題に関して一定の距離を置いている人に、両方の個人的見解をクローズアップして見せることができることだ。さらによいことに、意見を変える可能性のある人、密かに応援している人を、この問題に引き込む機会も得ることになる。

“Anti-fragile”のソーシャルメディア戦略を採用することは、勝って、勝って、勝ちまくることだ。映画『ベスト・キッド』の空手の先生、ミスターミヤギの有名なセリフに、「正しく行えば、誰も防げない」というのがあったが、この狡猾で素晴らしい勝利戦略は、どうすれば実行できるのだろうか?

それは、簡単な5つのステップだ。

5つの簡単なステップでTwitterの言い争いに勝つ方法

まずは“Anti-fragile”なメッセージを考えてほしい。そして、

  1. あなたと対立している相手を怒らせるような問題を選んだら。
  2. その問題がたとえ微妙なものであっても「Yes / No」、つまり白黒を明確にして。
  3. “Anti-fragile”なメッセージと戦略的に連携した援護射撃を増やして(マーケターはここに注意)。
  4. 混乱を生み出し続けて(ブランドの安全性?そんなもの必要ない!)。もっとつぶやいて、もっと炎上する話題を提供して、もっと!もっとだ! そして、Step1-4をさまざまに繰り返すのだ。
  5. こうして、この問題は広がり(バズって)、あなたのフォロワーは増えていき、賛同者のコミュニティは自然と組織化されてくるはずだ。

そうなったら、謙虚な面持ちで、高らかに「勝利宣言」を行うのだ。

こんな感じで“Anti-fragile”なツイートを続けていれば、いつの日かあなたも、……になれるかもしれない。
 

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