皆さんこんにちは、株式会社アイ・エム・ジェイ(IMJ) CMOの江端浩人です。IMJは米国で先端IT/Adtech情報を配信しているShelly Palmer氏と独占契約を結び、日本での記事と映像配信を行ないます。ちなみに文中の視点や意見はShelly Palmer氏や、それぞれの筆者のものであり、IMJのものでないことを明記させていただきます。

 

 

眼鏡の進化形?

グラスホール(“Glassholes”;グーグルグラス装着者を揶揄する呼称)たちよ、喜んで! あなたたちの夢と希望は、ビデオ録画機能付きの129ドルのメガネによって叶えられるかもしれない。発明者は「おもちゃ」だと言っているが本当にそうだろうか。確かにスゴく楽しいことは間違いない。Snapchatという社名から改名したSnap社が発明した新しいメガネ型デバイス「Spectacles」は、写真によるコミュニケーションを進める同社のブランドの確立に大きく貢献するだろう。

さらば「Snapchat」、今までありがとう

「Snapchat」はSnap社に名前を変えたばかりで、26歳のエヴァン・シュピーゲルCEOは、変更の理由をこう説明する。「私は『Snapchat』をスマートフォンのカメラから解放したいのである」。会社のウェブページにはこう書いている。「Snap社はカメラ会社です。我々はカメラを再発明することが、人々の生活やコミュニケーションを良くすることだと信じています。人々が外界を知り、自分を表現し、その瞬間を楽しみ、その楽しみを共有するために、我々の製品が役立つことを願っています」。

「Spectacles」のスペック

今まで出ているメガネ型ビデオ装置と同じように、「Spectacles」はメガネのように見える。そのメガネには視野角115度のレンズが付いていて、その視野は自分の目線に近いので、自分の眼で見たのと同じような映像が撮れることが特徴である。しかしGoProやスマートフォンのカメラのように自分の顔の前にカメラを持つ必要はなく、「Spectacles」の側面をタッチして、ボタンを操作することで10秒の動画が撮れて、それが自動的に「Snapchat」アプリのメモリーに送信されるのである。後はあなたの都合のいいときに、その映像を使うか削除するか決めればいいだけだ。

新しいビデオの録画方法は、受け入れられる?

「Google Glass」では、カメラを持たずに撮影できることだけが新しいことであった。残念ながら「Google Glass」は着用しているときの格好がよくなく、使用者たちは“Glassholes”と揶揄され、変な目で見られることが多かった。また、Googleは、「Google Glass」で撮影された写真を配布するための情緒的に優れた方法を提供することもできなかった。しかしSnap社の「Spectacles」ではそれが可能となっているのである。

Snap社は「この秋に発売予定」という以外は「Spectacles」に関する情報をあまり多く発信していない。だが、私は非常に楽しみにしている。エヴァン・シュピーゲルが言うとおり、多くの人々はそれを“おもちゃ”としてしか使うことができないだろう。録画している時には警告のために「Spectacles」に付いているカメラの縁が光ることになるだろうが、それを克服して使うことができると思っている。

ビデオ会話における新しい文法

数年前VVS (vertical video syndrome縦型ビデオシンドローム)は新しいことであった。伝統的な人間にとってみれば、なぜスマートフォンの写真は縦型で撮られるのか理解できないということである。そしてビデオも縦型で撮られるということが理解されないできたのだ。 かつて、ロックが“悪魔の音楽”と呼ばれ、ソーシャルメディアでネットスラング、ROTEL(Rolling On Floor Laughing;床を笑い転げる様子)が使われることが“英語の死”と言われたように…。

しかし、この数年でいろいろ変化が起きているのである。スマートフォンを持ちやすいために縦型の写真やビデオが一般的になってきている。腕を目一杯伸ばして撮るセルフィーなどの撮影にも適している。これは動画や画像の新しい文法と言うべきものでもあるだろう。そして「Snapchat」がそれを促進してきたとも言えるのである。

「Spectacles」は視野角115度のレンズで撮影する。このことにより「Spectacles」の画像は、人が実際に見ているものに近いような形で記録されることになる。では、果たして10秒動画というものが、新しいコミュニケーションのスタンダードとなるのであろうか? その答えはまだ出ていないのでなんとも言えないのであるが、ミュージックビデオやテレビコマーシャルが、この方式を取り入れてくる可能性はかなり高いのではないかと私は考えている。

シンギュラリティは、まだ遠いのではないか?

「Google Glass」が普及しなかった理由を上げるのは簡単である(少なくとも、2,000ドルという価格だけがその理由ではないだろう)が、「Spectacles」と単純に比較することは容易ではない。だが、価格やスペックが変わろうとも、両者に共通する“普及の妨げとなるかもしれない理由”がひとつ存在する。それは、プライバシーの侵害に対する人々の警戒感である。2040年には人間とマシンが融合したサイボーグのようなトランスヒューマンが人々に受け入れられるだろうというレイ・カーツワイル*のような人もいる一方で、断りもなしにビデオ撮影されて広められることに不快感を覚える人が数多く存在することもまた真実である。

この問題は、避けては通れないだろう。文化的にも行動学的にも異論はあるかもしれないが、人間がカメラと一体化するような技術ができれば、このことは必ずついてまわる問題となり、普及に当たっての大きな障害となることが起きるであろう。

*アメリカの発明家、フューチャリスト。人工知能研究の世界的権威。

Snap社に拍手を!

エヴァン・シュピーゲルは、プロダクトデザイナー中のプロダクトデザイナーである。彼がまだ開発途中であろう「Spectacles」を、“なんか面白そうだから!”という理由で、市場に投入したことは大変な賞賛に値する。他の社長も見習うべきだ。Snap社の開発チームも素晴らしい。そうそう、私は今年のクリスマスプレゼントとして50台注文したいのだが、在庫はあるだろうか?

 

筆者(ShellyPalmer)注:これはあくまでも自分の意見であり、スポンサーされた記事ではない。私がこの記事の筆者であり、自分の意見を述べている。自分も会社も一切の報酬は受け取っていない。

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