A美が知る落とし穴① 「KPI=達成すべきゴール」ではないですよ!

「え〜っと、KPIは単なる指標ですよね!!! ここであえて声高に申し上げておきたい!」
と、普段は癒やし系なのにこの話になると急に力が入ったA美。

KPIはプロジェクト全体の目標を達成するための中間プロセスにおいて、状況をはかるための指標であり、最終達成目標ではない。本来の全体目標に対し、今後取るアクションの検討材料である事を忘れがちだ。

続けて「一番残念なのが、過去の実績数値だけを元にして立てたKPIですよね」と語る。これでは、その時のプロジェクト戦略の目標達成にどれだけ寄与したかは判断できない。主目的を見失わせるだけではなく“前例をどれだけ超えたか”という見当違いの努力目標を持つことになりかねない。「SNSだと結果の数値がオープンな分、注意してないとハマりがち。せっかくだからプロジェクトごとに戦略からきちんとKPIを立てて、意味のある結果を残したいですよね」

 

B氏が知る落とし穴② 量だけで、質は無視ですか?

「TwitterのRT」と「Facebookのシェア」。同じ拡散行為として数値を単純に合算しがちだが、その“質”は少し異なる。

「例えば、気軽にできるTwitterのRTに比べて、現実の人間関係が反映されていてダミーアカウントが作りづらいFacebookのシェアには、個々のユーザーがシェアする背景や、そのシェアに反応する人の行動までが見えるんで、TwitterのRT以上の情報価値があるんじゃないかな」
と、丁寧にわかりやすい説明をしてくれたB氏。

また、ターゲット層を「20代」という風に狭く設定した場合、どれだけ20代の間で盛り上がったとしても、母数が少なければインプレッションもソーシャルボイスも少なくなることは当たり前。数値だけを追うのではなく、全体戦略に合わせてどのようなKPIを設定するのがふさわしいかを個別に検討することが重要となる。

“質”は異なるのに、単純に累積した数値だけで効果を判断するのはとても危険ですよね」

C氏の知る落とし穴③ 今の売上、未来への投資。さぁ…どっち!?

今の売上を見ているか、それとも未来の売上を考えているかで、立てるべき戦略もKPIも異なることをしっかりと意識にすり込んでおくべきですね」
と、クールで鋭い分析が持ち味のC氏。

ブランディングを確立するための戦略は時に、短期的売上を目指す戦略とは両立しない。KPIを立てる際にそこを見誤ると、短期的戦略と比較して数字がガタ落ち、などと間違った認識でブランディング施策を減らしていく結果になりかねない。また、ソーシャルは、投稿がシェアされていく先の人にもどんな影響を与えるかを考慮しておくことが重要だ。

高価格商材や低価格商材などといった“商材の性質”や“目的”によって、コンテンツやプラットフォームをしっかりと使い分けしなければならないですね」

 

 

3人が共通して言っていたのは、「戦略なくしてKPIは意味ナシ。」ということ。

各プロジェクトごとに戦略が個別に必要なように、KPIの立て方も「この数字を見てればよい」という共通のものはなく、プロジェクトごとに戦略にあったKPIを設定するべきである。

現場最前線にいる彼らから出てきた3つの落とし穴を参考に、適切なKPIの設定を心がけてみてはいかがでしょうか?