インタビューにご協力してくれたのはこんな方

 Oさん 男性 20代後半

・ファッションへのこだわり:★★★★★(強い)
 作られた背景や物語に共感して買うタイプ
・体形の悩み:小柄な体形
・普段のファッション購入:
 店舗で見て、WEBで深く調べたり比較したりして、どちらかで買う。
 ZOZOTOWNは年に数回利用。

 Sさん 女性 20代前半
・ファッションへのこだわり:★★★☆☆(強め)
 流行・トレンドに乗りたいタイプ
・体形の悩み:太りやすい体質
・普段のファッション購入:
 買い物が好きで月2回くらいは店舗に行く。
 ZOZOTOWNやメルカリなどでより安くあればそちらで買うことも。

1.ZOZOSUITの顧客体験

実際に利用したお二人に、ZOZOSUITを予約し、自宅に届く、アプリをDLして計測する、商品を購入してみるという一連の体験について感情曲線を描いてもらいながら、お話しいただきました。

Q.一番価値を感じたのはどこですか?

プライベートブランドのTシャツとジーンズを購入してみたのですが、届いたら、本当にぴったりだったこと

自分は、小柄な体形で中高生のときに合うサイズを見つけるのに苦労していたんです。おそらくZOZOの前澤社長も同じような体形なので、社長自身の体形の悩みがこのサービスを考えたきっかけになったというインタビューを読みながら、うんうんと共感していました(笑)。なので、もしその頃にこのサービスがあったらすごい価値があっただろうなと思います。現在は、ある程度自分のサイズも把握し、どこのブランドのこのサイズならOKという感覚がありますが、当時はそれも分からず、時間も労力も費やしました。なので、計測してぴったりのものが届くまでのスピード感に感動しました。

そういう意味で、ファッションデビューするティーン世代とかに価値がありそうだなと感じました。ジャストサイズの服に初めて出合う体験は、ファッションの楽しさを知る根源だと思うので、まさに「スタートトゥデイ」体験だな~なんて思ったりしました。社名変わっちゃいますが(苦笑)。

Q.一番テンションが下がったのは?

撮影がなかなかうまくいかずストレスがありました。
音声案内での操作なのですが、何度も「エラーが発生しました」と繰り返されてしまい、スマホを設置する場所の問題なのか、距離感なのか、なにがセンサーの邪魔になっているのか原因がわからず、ストレスを感じました。実際、撮影がうまくいかず利用をやめてしまった友人もいましたし。以前、店舗で計測してECで購入というフローや、また自宅に出張して計測してくれるサービスを体験してみたことがあって、そっちのほうがプロが測る安心感はありましたが、店舗に出向く手間や、人に自宅にきてもらうストレスを考えると、ZOZOSUITのほうが手軽だとは思います。

Q.どこが改善されたら、もっと利用してみたいと思いますか?

プライベートブランドにビジネス系(スーツやシャツ)がはいったら、使うかもしれません。礼服とかもあったら、一番嬉しいかもしれません。

※本インタビュー直後にシャツがリリースされたので、さっそく注文してみたそうです!

Q.一番価値を感じたのはどこですか?

やはり「ここまで細かく測れるんだ!」という驚きですかね。
試着って疲れるんですよね。普段、お店で試着をたくさんしても、結局合うものが見つからず、疲弊したのに収穫ゼロで帰るという事もあるので、そのストレスから解放される可能性があるのはすごく価値を感じます。
Twitterの口コミをみても、みんなにもぴったりなものが届いてそうだな、と感じました。

Q.一番テンションが下がったのは?

計測が完了して自分の体形が3Dモデル化したものを見たとき。
「3Dだ! すごい!」と感動した次の瞬間、自分の体形がモデリングされているのを見て、ショックを受けました。「わたしってこんな体形なんだ。思ったよりも太ってるじゃん……」と現実をつきつけられて、落ち込みました。
「あなたサイズ」で絞り込んだときに、自分の好きなブランドの服があまり出てこないんだと気付き、それも少しショックでした。

Q.どこが改善されたら、もっと利用してみたいと思いますか?

オフライン(店舗)でもこのデータを使って絞り込んだりできるといいな~とか、思ってしまいました!

2.おまかせ定期便の顧客体験

続いて、ZOZOSUITの測定値も利用して、入力した自分の好みにあった洋服を定期的に届けてくれる「おまかせ定期便」を利用した体験についても、同様にインタビューしました。

Q.一番価値を感じたのはどこですか?

うーん、自分は店舗で店員さんと話しながら買う体験が好きなので…。データが蓄積していって、精度があがっていけば、またどうなるのかな?とは思いますが。
ただ、い物が面倒な人とか店員さんと話すのが得意でない人とかだと、普段手に取らないものや試着しようと思わないものを着てみて、新たな発見があるという価値はとてもありそうです。

Q.一番テンションが下がったのは?

届いた商品を見たとき。
商品自体は自分が最近買った服と似ているような形のものが届き、精度は高いなと思いました。一方で、好きなブランドの情報を入力したときに期待したような、洋服好きの好奇心を満たしてくれる、アイテムやレコメンド文がなかったことに少しガッカリしてしまいました。

Q.どこが改善されたら、もっと利用してみたいと思いますか?

下の図のようなコメントシートが届くのですが、トレンドなので選びました!というかよりはもう少しどういう背景で作られたのかなど、ブランドストーリーとかが知りたいなと思います。人によって違うと思うので、なにを知りたいか選べるとよいのかもしれないです。

あとは、自分の好みでカスタマイズされていくというよりは、好きなスタイリストなど人単位で登録できて、そんな憧れの人たちから自分へのレコメンドとして、「お!」というものが届くといいなと思います。

Q.一番価値を感じたのはどこですか?

ZOZOSUITの計測サイズを利用したことで、スカートのサイズがぴったりだったこと。
同じようなデザインを欲しいなとは思っていたのですが、届いた商品のブランドには自ら出向かないので、おそらくこれまでの買い物体験なら出合わない商品なんですが、気に入ってしまいました。こういった出合いがあるなら、今後も使ってみたいなと思います!

Q.一番テンションが下がったのは?

「あ、返却申し込みの締め切り過ぎてた!」と気付いたとき。
買い取らないものについては、7日以内に返却希望を出さなくてはいけないのですが、すっかり忘れていて、気づいときには、自動的に買い取りになってしまいました。「不要なものはメルカリに出さなきゃ~」という感じです…。

Q.どこが改善されたら、もっと利用してみたいと思いますか?

買い取った場合でも、届いた商品へのフィードバックをするフローがあるといいなと思いました。次回からはもっと自分の好みに近づいてほしいので。あと、最初に自分の好みを入力するところは、自分の好きなスタイルをうまく言語化できず、書くのが難しかったです。日によってスタイルも変わったりするほうなので、もっとイメージをうまく伝えられるフローがあるといいかもしれません。
あとは、私はWEARを使っているので、やはり自動で連携してほしいですね。今のところ、お任せ定期便で購入した商品が反映されていなかったので、頑張って手動で入れました。

3.まとめ:企業に求められるデジタルによるCXの向上

今回インタビューをしてみて、「3Dモデルの技術に感動した次の瞬間、自分の体形にショックをうけた」、「期待して好きなブランドを書いたのに汲んでもらえなかった気がして、テンションが下がった」といったリアルな声を聞くことができ、未体験の筆者にとっては「なるほど」とかなり興味深かったです。

二人とも共通していたのは、スーツでの計測サイズによって、ぴったりなものが届くという体験への価値を感じていたこと。撮影時にストレスは感じているものの、結果としては、自分に合うものが届いたというポジティブな感情に切り替わっていたようです。

おかまかせ定期便については、ファッションへのこだわりやファッションに求めるものによって、かなり価値の感じ方に差がありそうだなと感じました。
ただ、データが多面的に蓄積していくことでそういった自分の好みも踏まえたカスタマイズがされていくのでは?という期待も両名から感じました。

 

また、デジタルディスラプターの脅威に対抗するためには、既存企業にもこのようなイノベーティブな顧客体験(CX)向上が必要とされている背景を踏まえると、「ZOZOSUIT、未来っぽい!」なんて言ってる場合ではないなと思いました。すでにこの取り組みでスタートトゥデイ社にはたくさんのデータが蓄積されはじめているはずです。
小規模の実証実験ではなく、すでに顧客まで巻き込んで、このような未来の顧客体験へのトライアルを実行している動きを目の当たりにして、今どのくらいのスピードでデジタル変革ができるかが、今後の企業の命運を分けるのだなと、ひしひしと感じました。