1.2019年にブレイクしたインフルエンサーを振り返り!
2020年のネクストブレイク・インフルエンサーをご紹介する前に、2019年はどのような方々がインフルエンサーとして人気を集めたか振り返りたいと思います。まずはSHIBUYA 109 lab. が2019年の年末に発表した、トレンド大賞 ヒト部門の結果を見てみましょう。
1位のよしあき&ミチは台湾ハーフモデルの姉弟。もともとファッションセンスが高いことや、人気YouTuberのkemioの動画にたびたび出演し親しみやすいキャラクター性で人気を得ていましたが、姉ミチが『オオカミちゃんには騙されない』に出演したことでブレイク。弟よしあきも本を出版するなど今、一番波に乗っているインフルエンサーです。
ランキングをみると、よしあき&ミチ以外にも、ヴァンゆんチャンネル、なこなこちゃんねる、のあのあカップルがランクイン。うち二組はインフルエンサーとして活動しており、男女ペアのインフルエンサーに注目が集まった年でした。
では、2020年はどんなインフルエンサーに火が付くのでしょうか?
これからブレイクしそうな、若者向けインフルエンサーを紹介します。
2.2020年ネクストブレイクのインフルエンサー、注目は?
IMJ社内で新卒1年目を中心にネクストブレイク・インフルエンサーは誰なのかアンケートを実施したところ、50人を超える多種多様なインフルエンサーの名前が挙がりました。そこで、社内のインフルエンサーに詳しい若手マーケッターを集め、アンケート結果をもとにディスカッションを行い注目のインフルエンサーを選定! ジャンル別に分類してご紹介します。
Type1. お洒落なだけじゃない⁈ みんなの“憧れ”【モデル系インフルエンサー】
モデル系インフルエンサーは、若者のファッションリーダーとして自身のライフスタイルやファッションを投稿しているインフルエンサーです。Instagramを中心に活動するインフルエンサーが多い傾向にあります。しかし、一言で「ファッションリーダー」といえど、ファッションの系統を特化させていたり、自身の経験を売りにイベントを開催したり、トークの才能が評価されラジオ番組に出演するなど売り出し方は様々です。
■Miku 🌹 (Instagramのフォロワー数:11.6万人)
20代の女性を中心に人気で、大人っぽさと可愛らしさのバランスがとれた“キレイめ”のスタイリングが得意。芸能人ばりのルックスをもち“憧れの存在”でありながら、嫌みのない等身大の文体で共感を得ています。
■HARUKI KOYAMA(Instagramのフォロワー数:4.7万人)
10代~20代の女性を中心に人気。攻撃的になりすぎないストリートファッションが得意。最近はファッションアカウント以外に、フィルムカメラのInstagramアカウントを開設し、活動の幅を広げる動きも。
■中島姉妹(絢乃/奈津希)(Instagramのフォロワー数 絢乃:4.1万人、奈津希:2.5万人)
ディズニーが好きな10~20代を中心に人気。私服でディズニーキャラクターを表現するディズニーバウンドコーデをアップしている読者モデルの姉妹。最近はIGTVも活用し、ディズニーを姉妹で楽しむ様子などの動画を配信しています。
■水田あゆみ(Instagramのフォロワー数:11.1万人)
バチェラー・ジャパン シーズン3に出演し、20代女性を中心に人気。番組内での凛とした振る舞いや芯の強さといったキャラクター性が“女性から見る理想の女性”として支持されています。番組終了後は月額会員制のオフィシャルサイトを開設し、悩み相談コンテンツなどをもりこんだオフ会を開催するなどファンとの交流も積極的に行っています。
■まつきりな(Instagramのフォロワー数:8.3万人)
20代男女を中心に人気。ファッションリーダー的な側面も持ちつつ、喋りの面白さでファンが増えています。ストーリーズを頻繁に更新し、ファンの悩みに答えることで親近感を得ており、その話力を活かしてラジオ番組にも出演しています。
Type2. マルチな才能が売り【クリエイター系インフルエンサー】
クリエイター系インフルエンサーは、音楽や芸術などアーティストとして活動しながらSNSを巧みに活用し、若者のカルチャーに影響を与えているインフルエンサーです。クリエイティブなセンスや、メッセージ性の強いコンテンツでファンを増やしています。
■はましゃか(Twitterのフォロワー数:1.6万人)
ZINEが!!完成しました!!
— はましゃか (@shakachang) October 29, 2019
11/2.3.4の多摩美芸祭の「@THETABF 」ブースに置かせてもらいます!!!
「MARGARET SHOWER volume.2」
7種類のビジュアルに座談会も追加で読み応え抜群!!
おおもりめぐの撮影・ヘアメイク・スタイリングが…才能が溢れて泣きそう…
ぜひ #マガシャ と呼んでくれ🥺 pic.twitter.com/azwSUghnXH
20代女性を中心に人気。美大出身で役者志望の20代女性ですが、モデルやZINEの編集、コラム執筆、イラストレーターなどクリエイティブで幅広い才能を見せています。最近ではAbemaTVにコメンテーターとして出演するなど活動の幅を広げています。
■向井太一(Instagramのフォロワー数:6.9万人)
音楽・ファッション好きの20代男女を中心に人気。シンガーソングライターとしての活動が中心ですが、men’s FUDGE.jpで連載を持つなどファッショニスタとしての側面も。InstagramのARフィルターをいち早く作成するなど、SNSのトレンドにも敏感。一方、ストーリーズやTwitterも頻繁に更新し、親しみやすいキャラクター性が共感を呼んでいます。
Type3. 笑いのツボも十人十色! 【コンテンツ配信系インフルエンサー】
コンテンツ配信系インフルエンサーは、くすっと笑えるような動画コンテンツを発信しているインフルエンサーです。Twitter上で動画がバズり、フォロワーが増えています。オタクが共感する動画を作るアイドルから、ファンクラブをもつぬいぐるみのクマまで、コンテンツ内容は多種多様です。
■くまきち(Twitterのフォロワー数:3.9万人)
メリ-クリスマス🎂🎄🎅🦌🔔🍓 pic.twitter.com/0ucVODIrAc
— くまきち (@kmakici) December 25, 2019
20代女性を中心に人気。オリジナルのくまのぬいぐるみで、やってみた系動画を配信しています。YouTubeよりTwitterのフォロワー数が多く、短尺の動画に癒されるファンが増えています。月額制のファンクラブを持っており、限定ブログを配信。オリジナルグッズのECサイト、SUZURIでグッズも販売しています。
■こんびにこ(YouTubeのチャンネル登録者数:17.2万人)
10~20代男女に人気。YouTubeとTwitterを中心に活動し、アンチInstagram的なニュアンスで、コンビニで買った食べ物をおしゃれに盛り付けるだけの動画を配信。切り口の面白さが若者の心をつかんでいます。
■末吉9太郎 (CUBERS)(Twitterのフォロワー数:14.4万人)
『メンバーの仲良し写真がSNSに上がり大興奮するオタク』 pic.twitter.com/eRPvVmDbhc
— 末吉9太郎(CUBERS) (@9taro_cubers) December 27, 2019
20代のオタク女性を中心に人気の現役アイドル。アイドルオタクあるあるを再現した動画をTwitterにアップし、共感を得ています。動画内で頻繁に発する「沸いたー!」は若者の間で言語化しつつあり、株式会社AMPが発表した2020年JC・JK流行予測のコトバ部門にノミネート。アイドルとしての活動と併せて要注目です。
Type4. 親近感が売り【漫画エッセイ系インフルエンサー】
漫画エッセイ系インフルエンサーは漫画などのコンテンツを通じて、自らの体験を発信しているインフルエンサーです。内容の面白さと、作者自身の考え方への共感によってファンを増やしています。
■もちぎ(Twitterのフォロワー数:52.5万人)
ゲイバーに来た、ゲイに恋する女性の話。 pic.twitter.com/fo0eYqk3MD
— もちぎ♨️エッセイ発売中 (@omoti194) December 4, 2019
20代女性を中心に人気。ゲイとして生きてきた体験を赤裸々かつ面白おかしく漫画化し、ジェンダーレスな視点が共感を呼んでいます。Twitter以外に、有料のnoteでも作品を公開しています。
■つづ井(Twitterのフォロワー数:29.5万人)
今週も絵日記更新していただきました〜Mちゃんとの学生時代の思い出です😌✨ちょっとおセンチやね....☺️他の絵日記もこちらからいっぱい読めます💁♀️ https://t.co/1OlQ5Zox2s
— つづ井 (@wacchoichoi) December 5, 2019
絵日記「化学反応(ケミストリー)」(1/3) pic.twitter.com/Kt28WmVk3w
10~20代のオタク女性を中心に人気。オタク生活を満喫するエッセイ漫画を描いている20代女性。noteで「自虐をしない」ことについて文章を発信し話題に。(『「裸一貫!つづ井さん」についてちょっと真面目に話させてくんちぇ〜』)好きなことを全力で楽しむ姿に共感が集まっています。
Type5. 好きなものに対する知識量がすごい!【分野特化型インフルエンサー】
分野特化型インフルエンサーは自身が熱狂的に好きなものを知識として昇華し、発信しているインフルエンサーです。コンテンツとして面白くなるように、知識を基にした悩み相談を実施する、その分野の知識をおしゃれなライフスタイルとして取り入れて発信するなどの活動でファンを増やしています。
■Nagisa Ichikawa / THE GUILD(Twitterのフォロワー数:1.4万人)
どうやらまだ品薄状態が続いているようですが、遅ればせながらAirPods Proのレビューを書きました!🎧 発売から3週間ほど経ちましたが、もはやわたしの耳の一部と化している感があります。昨日はしたまま寝てた😅https://t.co/MPnDC0hUfS
— Nagisa Ichikawa / THE GUILD (@nagiko726) November 18, 2019
20代男女を中心に人気。ファッション系企業のデジタルを軸としたコンサルティングをする傍ら、ガジェットレビューワーとして記事を書いています。洗練されたファッションセンスと、カメラ好きを活かしてInstagramやTwitterでガジェットのあるおしゃれな生活を発信。さらに、メーカーとコラボレーションしてドローン専用のレザーバッグを作るなど、活動の幅を広げています。
■八月(Twitterのフォロワー数:2.1万人)
「https://t.co/F0ZmNAFgKl
— 八月 (@8th_month) December 25, 2019
こちらのレザーカラージャケットを購入したのですが、八月さんであればどのようなものでどう合わせられるか教えていただきたいです。」
クリスマスプレゼントということで、今月のFans'はお値段以上の内容でお届けします。https://t.co/IYzhMLXsIn
ファッションが好きな20代男女を中心に人気。自身の持つ膨大なファッションの知識をもとに、気になっているファッションアイテムやファッションに関するニュースについて投稿。ごくたまに自分のコーディネートをアップするものの、自身の姿はほぼアップしないのが特徴です。さらに、Fans’で月額制のファンクラブを持っており、加入者のファッションに関する悩みに答えています。
3.まとめ インフルエンサーの多様化と若者の共感
いかがでしたでしょうか。本記事では若者が注目しているインフルエンサー14人を5つに分類し紹介しましたが、数あるインフルエンサーの一部にすぎず、その在り方は多様化しています。ここで、若者に支持されているインフルエンサーの潮流のポイントを整理したいと思います。
POINT1:魅せ方は「自分推し」と「コンテンツ推し」の2種類に
もともとインフルエンサーと言えば、インフルエンサー自身のライフスタイルやファッション、考え方を自身のタレント性を前面に押し出して発信する「自分推し」が主流でしたが、最近はそれに加えて、自身は前に出ずコンテンツを中心に魅せることでファンを増やしている「コンテンツ推し」タイプのインフルエンサーが増えてきています。
POINT2:よりニッチな需要にこたえる! コンテンツの細分化・多様化
インフルエンサーが発信するコンテンツは、ファッションコンテンツやお笑い系コンテンツなど大きなくくりの中から、さらに細分化する傾向にあります。さらに、オシャレな“憧れ”的な存在だけでなく、オタクが共感するコンテンツやサブカルチャーを感じさせるクリエイティブ系コンテンツを発信するインフルエンサーも登場し、属性も多様化。2020年はコンテンツの細分化の流れがより加速していくのではないでしょうか。
POINT3:“オタク”であることは隠すことではなく、むしろ自分のアイデンティティ。 好きは偏ってなんぼ!で共感を得る
コンテンツ内容や売り出し方など、インフルエンサーの在り方が多様化している背景とは何かを考えると、若者の「オタクであることをオープンにする風潮」があるのではないでしょうか。つまり、なんらかの“オタク”であることは隠すことではなく、むしろ自分のアイデンティティとして発信されるものになっているという、若者の価値観の現れなのかもしれません。その“オタク”をインフルエンサーが代表する形で存在し、“オタク”同士のコミュニティがインフルエンサーを中心に作り上げられ、熱量の高いコミュニケーションが生まれているのではないかと考えられます。
今回ご紹介したネクストブレイク・インフルエンサーは、どんな活躍を見せるのでしょうか?
みなさんもぜひ注目してみてください!
※フォロワー数は2019年12/26現在の情報です。
※本記事で引用した動画や投稿は引用元が削除された場合、表示されない場合があります。