【目次】
プロローグ:企業のTikTok活用はもはや常識? これまでの流れをおさらい
事例①: もはや日本の若者だけがターゲットではない? 国境・年齢層を超えるTikTokキャンペーン
事例②:コアなファンの投稿を誘発で、認知拡大!
事例③:“有名になりたい”、から広告を“作りたい”へ
事例④:面白さだけにとどまらない! Social Goodなキャンペーン
エピローグ:まとめ:TikTok活用キャンペーンの今
企業のTikTok活用はもはや常識? これまでの流れをおさらい
企業の戦略とSNSマーケティングは切っても切れない関係になっている現代。
そんな中、いよいよTikTokを利用した企業プロモーションが定着してきました。
TikTokを使用した企業プロモーションの成功例として、日本マクドナルドの「#ティロリチューン」チャレンジや、江崎グリコの「#ポッキー何本分体操」キャンペーンはご存知の方も多いのではないでしょうか。
この2つの事例のように、これまでのTikTok活用キャンペーンは共通して以下のような特徴がみられました。
これまでのTikTok活用キャンペーンの特徴
・若者に人気のインフルエンサーを活用し、中高生をターゲットにする
・気軽にマネ出来るダンスを取り入れる
・キャンペーン参加の動機として、若者の“有名になりたい”という気持ちに訴求する
TikTokが中高生の間で流行りだしたばかりの頃は、投稿される動画の大半がセルフィーやダンス動画といった内容でした。しかし最近では、メイク、ファッションはもちろん、料理、観光、教育、ペットや子供の成長記録、YouTubeに見られるようなHow To動画など、様々な使い方がされており、次々とTikTokの動画ジャンルは増加し続けています。
このようなジャンルの多様化は、TikTok利用者の年齢層が広がってきているということが背景にあると考えられます。
グラフのように、1日6回以上TikTokを閲覧するユーザーは12歳~19歳のティーンが70%以上を占めています。しかし、1日に1回以上閲覧するユーザーを見ると、30%ほどを20代や30代が占めており、10代も40%以下に収まっています。さらに、週に一回以上閲覧するユーザーに関しては10代と20代がほぼ同じパーセンテージとなっており、TikTokユーザーの年齢層は幅広くなっているようです。
以上のような流れを踏まえ、変わりゆく企業のTikTok活用最新傾向について解説していきます。
もはや日本の若者だけがターゲットではない? 国境・年齢層を超えるTikTokキャンペーン
初!日本主導のグローバルハッシュタグチャレンジでインフルエンサーを募集 ユニクロ「UT」×TikTok「#UTPlayYourWorld」
ユニクロはTikTok上で、「UT」のグローバル・インフルエンサーを決める「#UTPlayYourWorld」チャレンジを開催。日本/中国/アメリカ/フランス/台湾の5つのマーケットで各1名ずつグランプリを選出する、オーディション形式のハッシュタグチャレンジです。(開催期間:2019年6月25日~2019年7月11日)
こちらのキャンペーンは、動画投稿数185,671本、視聴回数約3.3億回を記録し、日本発のグローバルハッシュタグチャレンジとして史上最高の視聴数となりました。TikTokはグローバル展開する企業やブランドにとっても有用なツールであると言えるのではないでしょうか。
ターゲット世代の変化 様々な施策を行う東京カレンダー 「#東カレグルメ」
これまでのキャンペーンが中高生をターゲットにしたのものが中心であったのに対し、
東京カレンダーのキャンペーンはお酒が飲めるお店の紹介を行うなど、大学生~社会人をターゲットにしています。
また、東京カレンダーは様々な方法でTikTokを活用しています。
ダンス系が多いTikTok動画の中で、ドラマ仕立てのショートムービーを定期的に配信している東京カレンダー。Youtubeで人気の東カレドラマ『港区おじさん』の制作チームによる、都会の大人たちのやりとりをコミカルに描いた15秒ドラマ作品です。
ドラマを最後まで見ると、実際のお店のクーポンがもらえるなどの嬉しい特典も。
毎回違うお店を紹介・クーポンの配布という、新しい形のキャンペーンになっています。
さらに…
『東京カレンダー』の表紙になれちゃうフィルターの配布や、オリジナル楽曲『お食事デートのさしすせそ』に「#東カレドラマに出たい」をつけて投稿したユーザーから1名がドラマ出演権を得られるキャンペーンを行うなど、1つの施策にとどまらず、TikTokを利用して様々な試みを実施しています。
どのような仕掛けがターゲットに響くのかを模索しているのでしょうか?
今後の動きにも注目していきます!
コアなファンの投稿を誘発で、認知拡大!
TikTok連携用シェアシステム開発で、桁外れの動画投稿数? 「#荒野行動」
スマートフォンで人気のバトルロイヤルゲーム「荒野行動」は「荒野全力顔」というオリジナルのフィルター+BGMで自撮り動画を投稿する、TikTokユーザーお馴染みのチャレンジを実施。
このチャレンジだけでも認知拡大を狙いとするプロモーションとして成り立っているのですが、「荒野行動」のTikTok活用の上手さは、ここにとどまりません。
なんと、ゲーム内に公式シェアシステムがあり、プレイ画面をストレス無くTikTok上にアップすることが可能なのです。さらに、投稿回数によって荒野行動内で使用できるアイテムがもらえるキャンペーンも実施し、ユーザーの投稿を促しました。それ以外にも、VTuberを起用した荒野応援ダンス動画など、あらゆるターゲット層に照準を合わせた施策を実施しています。その結果、現在「#荒野行動」をつけて投稿された動画は視聴回数28億回という驚異的な数字を叩き出しました。
TikTokの使用者層とゲームのプレイ者層が重なっていることや、ゲーム実況動画の流行を上手く汲み取って実施された施策といえるのではないでしょうか。
“有名になりたい”、から広告を“作りたい”へ
TikTokに投稿するユーザーのモチベーションにも変化が見られてきています。
従来は、若者の“有名になりたい”というモチベーションが大半であったため、企業のTikTok活用においても、キャンペーン内容やインセンティブはその気持ちをフックにしたものが中心でした。
しかし、最近では動画編集スキルを駆使し、本物の広告にも劣らないようなクオリティの動画を制作したものを見て欲しいという、“広告を作りたい”というモチベーションも出現してきています。そして、その新しいモチベーションをフックにした企業プロモーションも出てきました。
TikTokクリエイターの増加 「#クラフトボスミルクティーコンテスト」
サントリーのクラフトボスミルクティーは、その世界観を表現した動画クリエーティブコンテストを実施。
“有名になりたい”という若者たちに加え、“動画や広告を作りたい”という意識を持ち、より高いクオリティの動画を投稿するクリエイターたちのインサイトに訴求するキャンペーンとなっています。
面白さだけにとどまらない! Social Goodなキャンペーン
さらに、TikTokではソーシャルグッドな企業キャンペーンの事例も出てきています。
ダンスで心肺蘇生の方法を学ぶ? 「#BPM100 DANCE PROJECT」
心肺蘇生にぴったりのリズムに合わせ、手順を学ぶ「#BPM100 DANCE PROJECT」が始動。
このプロジェクトは日本赤十字社のソーシャル施策で、心肺蘇生の認知度100%を目指すものです。みんなで楽しく踊った記憶で、いつか誰かの命を救うきっかけになることを目標としています。
まとめ:TikTok活用キャンペーンの今
いかがでしたでしょうか。
ここまでの事例から、TikTokの最新傾向として以下のことが言えそうです。
・ターゲットは日本の若者にとどまらず、国境・年齢層を超えるキャンペーンをすることが可能に。
・コアなファンの投稿を誘発することで、認知拡大に有効な施策を打つことができる。
・有名になりたいというモチベーションから広告を“作りたい”という、よりクリエイティブなモチベーションをフックにしている。
・面白い投稿だけでなく、Social Goodなキャンペーンもでてきた。
利用者層・利用方法などTikTokユーザーの変化とともに、それを活用した企業プロモーションにも変化が起きています。
TikTokは今後、より一層多様なプロモーションの受け皿になっていきそうですね。
今後も要注目です!