300点以上のプロトタイプが集結した「FESTA 2019」

FESTA公式サイト、会場風景

プロトタイプの祭典である「FESTA」は、実際に触れるプロトタイプ作品の展示を中心に、2つの日本最大級の開発コンテスト「GUGEN」と「ヒーローズ・リーグ」の受賞作品の決勝プレゼンや表彰も行われ、毎年多くの開発者が交流する熱気あふれるイベントです。

昨年からアクセンチュア・イノベーション・ハブ東京を会場に行われており、今年は全国から集まった300点以上の作品と600名を超える開発者が一堂に会しました。熟練から学生まで幅広く年代を超えた交流が行われ、各ブースで熱心に質問している様子が印象的でした。
このレポートでは、数多くの展示作品の中からコンテスト受賞作品とIMJの出品作品をご紹介します。

busters【ヒーローズ・リーグ アクセンチュアテーマ賞】

アクセンチュアテーマ賞を受賞したこの作品は、ゴミ収集所に集まるカラスを追い払うためのデバイスです。カラスの強い光に怯える習性を利用し、画像認識でカラスを見つけると強力なLEDライトを照射、カラスを追い払います。IoTで身近な社会問題を解決する視点が素晴らしいですね。

Planter【GUGEN 大賞】

GUGEN大賞を受賞したのは、こちらも社会問題にテーマにした家庭向け小型風力タービンのプロトタイプ。発電所や送電網に頼りきったシステムではなく、住居や地域単位で必要十分なエネルギーを発電し消費する自給自足のシステムこそが「未来のふつう」に必要だと考えたとのこと。

この他にも、創意工夫に溢れた新しい体験を提案するプロトタイプがありました。全体の傾向として、個人の課題やただ楽しむものよりも、昨今の社会トレンドを反映してか、社会問題の解決をテーマにした作品が多く見られる傾向だったように思います。

続いて、IMJ社員の出品作品のレポートをします。

みんなのいいねが集まるツリー【IMJ展示作品】

「会場の開発者たちをつなげる」というテーマで、イベントを盛り上げる仕掛けとして、スマホと連動するイルミネーションツリーをプロトタイピングしました。

STEP1:各作品のQRコードを読み込んで、ハートをゲット。
STEP2:ハートをスワイプして、ツリーに送る
STEP3:送られたハートがツリーに届くと光る演出!いいねが集まり溜まっていく!

また、魔法の杖を振るとインタラクティブに光る遊びの演出もあり、たくさんの人がツリーにいいねを送り、魔法の杖で遊んでくれました。

このツリーはIMJ「すまのべ!」メンバーを中心にIMJ有志メンバー総勢16名が集まり制作。仕事の合間を縫って社内の制作スタジオに集まった職域も部署も年齢も多様なメンバーは、自分の得意分野を活かしコラボレーションしながら2週間弱で制作を行いました。

作ってはうまくいかない箇所の調整を繰り返し、新しいアイデアへと変化させながら、スタジオにある3Dプリンターやハンダ・ドリルといった工具を用いてツリーをフレームから設計し組み上げました。(裏側の技術はスマートフォンデバイスのカメラを用いたARや、マイコンボードとサーバーのWebSocketによる双方向通信など複数の技術を組み合わせています。)

バーガー x バーガー

ウォークスルー型の体験で性格診断するジェネレーター。Webカメラで性別と年齢を顔認証で解析し、サイコロ型のボックスを回転させて5つの質問に答えると、診断結果としてオリジナルハンバーガーを画像でジェネレート。さらに、そのバーガーのレシートが印字されて出てきます。

ブラウザベースでよく見かける診断ジェネレーターが、「フィジカルでインプット」→「デジタルで解析」→「フィジカルへアウトプット」という新しい体験になっていることに加え、デザインとしての完成度の高さも相まり、FESTAでは個人賞を5枚いただき、展示に訪れる人の列がたえない展示となりました。

制作メンバーのコメント:
ここ数年でWeb技術を使ってできることの幅がデジタルだけにとどまらず広がってきています。こうした中、IMJのCreative本部ではデザイン×テクノロジーで作り出せる価値をプロトタイプ制作を通して発信していこうという活動を行っています。
技術的なポイントは、全てフロントエンドの技術で完結している点です。Webカメラと人工知能などの新しいテクノロジーと、サーバーやデータベース周り、IoT部分など全てWeb技術で実現しています。
(IMJ Creative本部 高田さん)

 

その他にも、ヒーローズ・リーグ決勝にノミネートされたデジタル防災紙芝居「DX(デラックス)かみしばい」や、すまのべ!からは「AR デザインこいのぼり」、VRシューティングゲーム「Real Virtuality Shooting 2」が出品されました。

プロトタイプがつなげる、次の新しい体験を産み出す場

たくさんの独創的なプロトタイプと開発者たちが集まったFESTA 2019。新しい体験を提案するプロタイプに触れ、この刺激がまた新たなアイデアへとつながり、次の新たな体験の創出につながっていくのではないでしょうか。

IMJの目指すREINVENTING THE EXPERIENCE__ “体験を再発明する”を感じられるイベントになったと感じた1日となりました。

 

>FESTA2019:https://festa2019.we-are-ma.jp/
>ヒーローズ・リーグ:https://hl2019.we-are-ma.jp
>GUGEN:https://gugen.jp/2019contest-result

 

 

アクセンチュアブログに掲載のFESTAレポートもご覧ください。
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