IMJ社員が選ぶ、2019年の気になったニュースや業界動向
編集部でピックアップしたニュース・出来事に対して社員投票を実施。投票結果をもとに、9個のトピックスをご紹介していきたいと思います。
投票基準としては
- 潮目を変えた、変えそう!
- トレンドの象徴と思える!
と設けていますが、あくまで企業のデジタル変革に携わるIMJメンバー(95名が参加)の主観的な投票ですので、その点はご了承くださいませ。
時代の変化を改めて感じる機会となり、2020年への備えになれば幸いです。
※紹介順はランキングではありません。
1.いわずもがなの、「Yahoo!とLINEの経営統合」
LINE(@LINEjp_official)さん、こちらこそどうぞよろしくお願いします✨ https://t.co/nEZnDp0QCu
— Yahoo! JAPAN(ヤフー) (@Yahoo_JAPAN_PR) November 18, 2019
やはりこのニュースは多くの票を集めました!
国内で多くのユーザーを持つ巨大プラットフォーマー同士の統合発表は、グローバルを視野にいれた戦いの始まりを感じさせる印象的な出来事でした。
両プラットフォームともに生活者接点として企業にとっては大きな存在。各事業などがどのようにシナジーを生みながら統合していくのかは、2020年要注目トピックとなるでしょう。
2.ZOZOTOWN節目の年に、「Yahoo!がZOZOを買収!」
先ほど適時開示しましたが、ヤフーさんとZOZOは資本業務提携することとなりました。また、このタイミングで僕は代表取締役を辞任し、新社長に今後のZOZOを託し、僕自身は新たな道へ進みます。詳しくは本日17:30からの記者会見でお話しさせてください。
— Yusaku Maezawa (MZ) 前澤友作 (@yousuck2020) September 11, 2019
Zホールディングス続きですが、突然の発表に激震が走った本トピックにも投票が集まりました。
国内最大級のファッションECプラットフォームとの連携によるPayPay勢力の拡大や、データ連携など、今後の生活者の購買行動への変化が予想されます。昨年12月でZOZOTOWNがスタートしてから15周年とのこと。インターネット業界の一つの区切りのようにも感じられました。
また、Googleのプレイドへの出資やAdobeのマルケト買収やSalesforceのTableau買収など、データドリブンなCX実現のためのサービス勢力図に変化を及ぼしそうなニュースも多発しました。
これらは2020年以降の企業のマーケティング活動に直接的に影響していくだろう出来事になるでしょう。
3.ペイ!ペイ!ペイ!「キャッシュレス決済の乱立&普及」
QRコード決済利用率は増税後に3倍になったが…https://t.co/NW0OFlRpjc
— SankeiBiz (@SankeiBiz_jp) November 11, 2019
大和総研の長内智主任研究員は「利用者の多くがポイント目当てのため、魅力が失われた時点で離れていく可能性がある」とみる。長内氏「利用者をつなぎ留められる新たなサービスが生み出せるかが、重要になってくる」。 #PayPay pic.twitter.com/Ygx7aep1e9
2019年は楽天ペイやメルペイ、au PAYなど「~ペイ」が乱立し、勢力図争いが加速しました。
前述のYahoo!とLINEの経営統合発表の際にも「PayPayとLINE payがくっつくと、ぺいぺいぺい?」といったつぶやきも話題になりましたが、2020年は淘汰も予想されます。
また、11月にはトヨタがorigami payと連携し、キャッシュレス決済アプリ「TOYOTA Wallet」をリリースするという動きもありました。
2018年のPayPayキャンペーンを皮切りに、その後2019年の増税の後押しもあり徐々に普及しているキャッシュレス決済は、購買行動がデータ化されるという点において、各企業にとって関心の高いトピックでしょう。
(「さて、このトピック段落、何回 “ペイ” が出現しているでしょうか?」とクイズを出したくなりますね。)
4.サブスク動画配信サービスの躍進!(Abema TV / Netflix)
2019年はヒットコンテンツもあり、サブスクリプションモデルの動画配信サービスがさらに躍進した年でした。
AbemaTVは、恋愛リアリティーショーの若年層への人気や、速報ニュースや会見中継などをうまくリアルタイムに捉えることで、ウィークリーアクティブユーザー数(WAU)が初めて1000万を突破したとのこと。
Netflixも、グローバルでは『ストレンジャー・シングス』、国内では『全裸監督』などオリジナルドラマが人気を博しました。
年始には“Kon Mari”こと近藤麻理恵氏の番組がスタート、また年末には嵐のドキュメンタリー独占配信も発表されるなど、年間を通して話題に事欠かない1年になりました。
2019年秋に、「Disney +」「Apple TV」もスタートしたことでも、さらに注目されるこの分野。
生活者のコンテンツ接触を大きく変化させているこの潮流は、2020年も引き続ぎ勢いを増しそうです。
続いてSNS関連では……
5.ついに、「嵐のSNS解禁!」
Instagaramのいいね!数非表示や、TikTokの躍進といったトピックを押さえ、嵐のSNS解禁のニュースが多くの票を集めました。
デビュー20周年記念日である11月3日、先立って開設されていた公式Youtubeで中継された会見を経て、公式SNSを一斉にスタート(Twitter, Facebook, Instagram, TikTok, Weibo)。
僕らの曲「Turning Up」のダンスはもう覚えたかな?TikTokで#ARASHIChallengeに参加して、みんなのダンスを見せてね!
— ARASHI (@arashi5official) 2019年12月4日
Have you learned the "Turning Up" moves yet? Use #ARASHIChallenge on #TikTok and show us what you've got!https://t.co/4bJhpj13XK#嵐 #ARASHI
各SNSアカウントは、1日で驚異的なフォロワーを獲得したことで、話題に。この動きは国内のSNSのユーザー層を変えることになったのではないかと言われています。長らくデジタル活用を控えてきたジャニーズ事務所の2019年のネット解禁の流れは、デジタルシフトを象徴する出来事となりました。
まだまだ、行きます。続いては、テックトレンドを表すトピック。
大きく票を集めた2つがAR関連でした!
6.これまでのARとは違う!「AI画像解析で進化したAR」
6月のWWDC19でAppleはARKit3を発表。AIを用いた画像解析の下支えによりモーションキャプチャーやオクルージョン機能が可能になり、オブジェクトが人の影にきちんと隠れるといった自然な表現が驚きの反応を呼びました。
ディープラーニングによる画像解析精度の進化と、スマートフォンCPUの向上により、(赤外線センサーなどの特別なセンサーなしに)スマートフォンのカメラで人体をキャプチャーできてしまうのが、革新的。
従来のマーカー的な目印を読み取るのではなく、現実世界の床、壁、動く人体を認識できるようになり、ARの表現力は一気に増してきました。
7.AR一般化の象徴!「Google検索結果に動物のARを表示」
It’s AR of the tiger!
— Google (@Google) 2019年5月31日
If you’ve got an AR-enabled phone, you can now bring select animals right into your space for a safari (or safe snuggle) with Search. pic.twitter.com/kWpudETgeq
2019年6月に英語検索で実装され、9月からは日本語検索にも対応された機能。
「トラ」や「ネコ」といった動物を検索すると、今いる空間に実物大の3DモデルARを配置し、大きさやしぐさを直観的に知ることができ、話題を呼びました。
Googleは2019年、GoogleマップのARナビゲーション機能もリリース。
検索やマップアプリでの道案内など日常化された行動の中にARが取り込まれたことで、いよいよAR体験が生活に根付きはじめていく。そんな流れを象徴する出来事でした。
その他、テック系では、ディープフェイク、Mixed Realityの国内展開(docomoとMagicLeap社の提携、KDDIとNrealLight社の提携)、5G実用化にむけた実証実験多発、Googleのクラウドゲームサービス「Stadia」発表などが挙がりました。
最後は、デジタル界隈で起こった問題や、それに対する規制に関するニュースに関して!
8.リクナビ問題を受けた「Cookie規制」
「リクナビ」が、ユーザー(就活生)のサイト閲覧状況に応じた内定辞退率スコアを算出し、ユーザーに同意なしにクライアント企業に提供していた問題に端を発し、Cookieをめぐる個人情報の議論が巻き起こり、政府の個人情報保護委員会による規制検討にまで話が及びました。
また、グローバルトレンドとしても、ヨーロッパのGDPRよりもさらに厳しい個人情報保護法「CCPA」が2020年1月よりカリフォルニア州で施工開始の流れもあり、データ活用やデジタルサービスにおいて「倫理」の重要性がさらに高まると言えるでしょう。
すでに先日、Googleが2年以内にサードパティ―Cookieの利用を段階的に停止するとの発表もありました。2020年は、動向をきちんとキャッチアップし、対応していくことが必須となります。
9.ゆらぐ信頼「不正レビュー問題、および、ステマ問題」
Amazonにおける不正レビューの問題や、SNSでのステマ問題が話題となり、プラットフォームや企業への信頼度が低下するという流れもありました。
「食べログ」についても、点数の算出方法について疑念の声があがるという出来事もありました。(こちらは、公式が疑惑を否定するプレスリリースを発表。)
デジタル上で可視化される生活者の口コミや評価が購買行動において重要なファクターであることは変わりないが、企業やサービス側としては、どうやって信頼度や公平性を保てるかという部分にさらにセンシティブに取り組む必要がでてくると思われます。
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2019年を振り返る9つのトピックスいかがでしたか?
社員のアンケートではこんな印象的な言葉がありました。
「デジタルトレンドという切り口はもはやしっくりこず、社会全体やビジネス、そして生活者のメインの潮流になったと感じる」
IMJも、この流れを受け、デジタルエージェンシーの枠を超え、顧客体験やビジネス変革全体を担うエクスペリエンスエージェンシーへ進化しています。2020年も引き続き、進化を加速させ、価値を最大化していきたいと思います。